ダーク・ファンタジー小説
- Re: 世界は君の掌に ( No.8 )
- 日時: 2013/07/19 19:15
- 名前: クラウド (ID: gF4d7gY7)
【第四話】〜大悪魔の事情〜
今日は運が悪い。とてつもなく悪い。
さかのぼること数時間ほど前・・・
今日は変な世界に迷い込むわ、大悪魔に捕りつかれるわでもう、うんざりだ。
しかしオレはふと気づいた。なぜ魔法書を読んだだけで悪魔が出てくるんだ?
アレンは魔法書の中に悪魔がいることを知っていた。
しかし契約が目的ではないらしい。ならなんで悪魔を魔法書から出したんだ?
そこでオレはある仮説が浮かんだ。もしかしてアレンは悪魔を出したのではなくて出してしまったのでは・・・?
真相を確かめるためにオレは口を開いた。
「なぁ、アレン・・・」
「なんだ、ウジ虫」
どうやらオレのあだ名は(ウジ虫)で定着してるようだが気にせずにいこう。
「お前悪魔を出したんじゃなくて出しちゃったんじゃないのか?」
「・・・意味が分からないな」
「つまり、この悪魔はお前が意図的に出したんじゃなくて間違って出してしまったんじゃないかって聞いてるんだ」
「・・・・・・・・・・・・・」
アレンはそのまま黙りこんでしまった。
どうやら図星らしい。するとルシファーが笑いながら話始めた。
「はっはっはっ!そうだよ!そこの女は魔法書の注意書きを見落としてたんだよ!」
「・・・注意書き?」
「うん。この魔法書にちゃんと書いてあったんだよ。
【※この魔法書を最後まで読むと悪魔が飛び出すのでご注意くださいww】って。」
「それあきらか注意書きに見えねーよ!!語尾にwwってついてるし!!」
「う〜ん・・・。でもさぁこうして魔法書から出てきちゃったからには誰かと契約しないといけないんだよ〜」
「・・・もし、もし契約しなかったらどうなるんだ?」
「特に何もないけど俺が世界をぶっ壊すよww」
「冗談だろ・・・いくら大悪魔って言っても・・・」
「ん?じゃあ今滅ぼしてあげよっか?」
「い、いや・・・いい・・・」
そこでアレンが話に入ってきた。
「とにかくだ、エリアお前がこいつと契約しろ。」
「はぁ!?やだよ!なんで・・・」
「じゃあ世界は終わると思え」
いくらなんでも自分勝手すぎる。自分の不注意で悪魔を出してしまったくせにオレに押し付けようとするとは・・・
こいつ、RPGの魔王より自分勝手かもしれない
「ん、まぁそゆことでいいのかな?え、と・・・エリアくん?」
「そういうことでいいらしい。さっさと契約の印でもつけてやれ。」
「うぃー!!」
そう言った途端ルシファーがオレに向かって勢いよく飛んできた・・・と思ったら目の前で止まった。
「へへっ!じゃ、そゆことでヨロシク!ご主人サマww」
そういうとルシファーはオレの腕を強く握りしめた。
だが握られてる箇所が半端じゃなく熱い。
「ウグッ!!」
ルシファーが手を離すとオレの腕にはコウモリの片翼のような烙印があった。
「はーい、これで契約成立ぅ!いえーいww」
ああああああああああああああああああ!!!!!!と思ったが時すでに遅し。
ばったりと膝をつくオレに、不敵に笑いながらその場を見つめるアレンに、良いカモを見つけて喜んでる大悪魔。
今日一番の最悪の光景だ。
オレはこの先大丈夫か不安だった。
———————————————
だがそんな不安さえも吹き飛ばしてしまう程衝撃な
大悪魔の知られざる過去をオレは後々知ってしまうことになる。
