ダーク・ファンタジー小説
- Re: † 魔女 † ~ clock tower witch ~ ( No.3 )
- 日時: 2013/08/01 09:47
- 名前: みみぃ ◆xFy/V8wehE (ID: hVaFVRO5)
- 参照: はやくどっか逝ってよ。いつかは私も必ず逝くから。
■ †第1章Ⅰ【miracle land ~ 奇跡の国 ~ 】†
あなたは願いを持っていますか。
いえ、別に持っていないなら構いません。この国に入れないだけですから。
願いの無いあなたは、他になんの願いがあるのですか?
さすがにこの国でも願い無き者の願いを叶えることはできないのですから。
え?それはなんだって?
あら、始めに説明しませんでしたか?
ここは、どんな願いでも叶う国。
──── miracle land ────
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少女は微笑んだ。
その雪のように静かな瞳に喜びを示し、自らの不幸を呪うかのように可憐
に、笑った。
「うそ……だろ? 冗談はよしてくれよ……」
「あんたもバカだよね。騙して、騙されて、使って、使われて」
「騙したのかっ!?」
「始めに騙したのはそっちでしょう?」
「このっ、魔女め!!!」
……もう、聞きあきた、この言葉。
怒りも、悲しみも、一切沸いてこない、この虚しさ。
少女は自分自身に嘲笑うかのように、煌めく刃をあげた。
「……騙されるほうが、悪いんだよ」
ぐさっ。
いやな音とともに、少女の鮮やかな金髪をバックに赤い鮮血が空を染めた。
あたり一面が赤い花で埋め尽くされたなかで、ひときわ輝いて見える、その
美しい少女は、まるで美しき殺人鬼のようだった。
少女は滑らかなその唇で、手についた血を舐めた。
「……ごちそうさま」
少女は微笑んだ。
その雪のように静かな瞳に、哀れみを示し、自らの幸福を呪うかのように可
憐に、笑った。
───────────────────────────────────────────────────────────
少年はうそを吐いた。
自身を責め、相手のうそを見抜き、苦しみながらも、うそを吐いた。
「……それは本当か」
「……ああ、本当さ」
「おまえは……
うそしかつけないのか?」
いつもいつもそうだ。俺はうそしかつかない。
本当のことは言ってはならない。本当にその通りになるから────
「全く、もういつもいつも……」
「……すいません」
少年はうそを吐いた。
相手が呆れても、どんなに苦しくても、少年はそれでもうそを吐いた。
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少女は謝った。
誰もいなくなっても、姉が慰めてくれても、ただただ謝り続けた。
「だからおまえはダメなんだ」
「ごめんなさい……」
「お姉ちゃんは良くできてるのに……」
「ごめんなさい……」
「あなたは失敗作ね」
「ごめんなさい……」
「大丈夫。生まれ変わったら私よりも良くなってるよ」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめん
なさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
謝ることしかできない。
だって私は失敗作だから。
こんな私を、あなたもやっぱり失敗作だと思いますか……?
少女は謝った。
己の部分を哀れみ、痛め付け、一滴の涙も流さず、ただただ謝り続けた。
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……以上がこの国へ入国するために必要なものです。
あら、3人だけになってしまいましたね。
それでは、このmiracle landをご自由にお入りくださいませ。
つまらなくなったら、いつでもお帰りくださいね。
ただし、戻れるものならば、ね。
†
>>2りん様
コメントあざー
面白い!?またまたぁ~
てか、名前変えすぎじゃないですか?ややこしいですよー(;´д`)
突然ですが、物語の展開を変えます。すいません……m(__)m
7/31 執筆
8/1 修正