ダーク・ファンタジー小説

Re: † 魔女 † ~ clock tower witch ~ ( No.5 )
日時: 2013/08/04 11:41
名前: みみぃ ◆xFy/V8wehE (ID: hVaFVRO5)
参照: 人を殺すことは罪なの?じゃあ、動物を殺すことは?

■ 第1章Ⅲ【人間< ash >と人間< ask for >】

 道に迷った哀れな小鳥たち。

 助けてあげましょう。

 それが私の仕事なのですから───


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 「どうしよう……」

 「知らねぇよ!!!」
 「私がちゃんとしておけば……すいません」

 だってこの森は魔女の森なんだよ?と、リリーは説明する。

 昔からここには森があって、ここを気に入った魔女が住み着いているらしい
 。

 「だから、この辺は危ないから……」

 「ちょっと待て。


 お前も魔女だろ?」


 ……………………?

 「あー、そうだった!!!」

 「気づけよ!?」
 「すいません……すいません……」

 そのとき────


 「あら、人間< ask for >の皆さん、お困りですか?」


 その人はまるで女神のようだった。

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 「はじめまして人間< ask for >の皆さま。私は女神< show >ディープともう
 します」

 「あれ?魔女じゃないの?」

 「魔女などこの世にはいません」

 いや、ここにいるのだが……

 「して、あなた方のお名前は……?」

 「リリアンヌ・シャイン。長いからリリーで」
 「レオンだ」
 「ルリア・ネヴァーです。……生きててすいません」

 レオンだけすごく短い。ルリア、しっかりしろ。

 あたりが沈黙に包まれる。そんななか、口を開いたのはレオンだった。

 「それにしても……女神……show……つまり、示す者?」

 「そうです。私は健全な皆さま< ask for >を、miracle landまでご案内するこ
 とが仕事であり、それが私の生き甲斐でもあるのです」

 「 ask for……求める者……」

 今度はルリアが反応した。

 「ええ。あなた方は叶えたい願いがあるのでしょう?私はその願いはもう叶っ
 ているので、


 人間< ash >というのです」


 ash……灰。そこにどんな意味が隠されているのか、私たちは知らない。

 「……ところで」

 「はい、なんでしょうか」


 「なんでさっきから笑ってんの?」


 ……そう。
 さっきからこのディープは笑みを浮かべている。
 楽しそうに笑っているんじゃない。
 本当の女神のように、とてもやさしい瞳で私たちに微笑んでいた。

 「それは、私が幸せだからでしょう。願いが叶って、こうやって生きている
 ことがとても幸せなのです」

 「……じゃあ、どんなにひどいことをされても?」
 「はい、もちろんです」
 「この世界が無くなっても?」
 「はい、もちろんです」
 「この国を追い出されても?」
 「はい、もちろんです」

 ディープは3人に、百点満点の笑顔を見せた。


                   †


あとで登場人物にディープを付け足しておきます。