ダーク・ファンタジー小説

Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.107 )
日時: 2012/10/14 11:51
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: AKehFwYl)

第四十二話 プレゼント


私たちはたまに喋った
今日は温かいね、とか今日のご飯は美味しいね、とか他愛も無い話
けれどそれが私たちにとっては大きな前進


私たちがお互いを認めたとき、あの人はプレゼントをくれた

喋れない子にはリストバンド
私たち全員の名前があった

私には銀色の小さい鈴
動くたびにチリチリとなって可愛かった

見えない子にはチョーカー
高いだろうと思われる宝石が付いていて綺麗だった

聞こえない子には髪飾り
花と蝶でとても可憐だった


それらすべてはあの人の手作りだと食事を運んできた人が言った

嬉しかった
他の子も喜んでいた


『ねぇ、お返しをしようよ』


聞こえない子、静が寝るときに言った
一番幼い見えない子、風は眠たそうに目をこすっていた


『お返し?』
『そう!こんなにいいものをくれたから、あの人にね』
『[いいと思う]』


喋れない子、灯が紙に書いて少し笑った
私もうなづいた


『じゃあ、何にする?』
『何がほしいのかなぁ?』
『・・驚かせたいな』
『[じゃあ誕生日プレゼントってことにして・・・]』


私たちは真夜中まで考えた

あの人が喜んでくれるのを頭で想像しながら眠った