ダーク・ファンタジー小説

Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.130 )
日時: 2012/12/29 19:10
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)

第八話 不意打ちの遭遇


凪は森をただただ進んだ。
何も考えずに進んでいくと、彩女の私有地内から出てしまった。
しまった、と思ったが別にいいか、と思いなおした。
今あそこには帰りにくい。

彩女は変わってしまったのだろうか。

そんな疑問が頭に浮かぶ。


いつになく自分がおかしいことに気付く。
自嘲気味に笑うと、空気が震えた。

考え事をしていたからだろう。



不覚。



首に赤い線が走った。
そこから血が垂れる。
痛くはない。
気持ち悪い。

眉をひそめると、今度は左手が血にまみれた。

誰かが、何かが、こちらを攻撃している。


凪は自分の周りに氷の壁を張る。


「誰・・・」


応答は無い。
誰が、何が、何の為に。

私を、狙う。

いや、理由なんて。


無いのではないだろうか。



凪は薄く笑う。


「そう・・・」


瞳が冷たく輝いた。


「答えないなら・・・あぶりだすまで・・・」


ヒュウゥーと辺りの温度が下がった。
森にまでは届いていない。

凪の能力。
温度を操る能力。

温度がどんどん下がっていく。

凪は兵器だが、これがもし人間なら既に息をすることさえ困難だろう。

殺すつもりは無い。
ただ、あぶりだすまで。

人の呼吸の音。
かすかに震える音。
白い息。


「・・・そこっ!」


氷を瞬時に作り出して、見つけた場所へと向かって突き刺す。



よけられた。


凪は小さくしたうちをする。
しかし、人がいることは分かった。


「何者だ・・・」


低い声で尋ねる。


「姿を・・・・・見せなさいっ!」


氷を大量に作って全体に降らせる。
鋭くとがった氷が降り注ぐ。
それは、氷の矢。


ガサッ


音がした。