ダーク・ファンタジー小説

Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.132 )
日時: 2013/01/11 18:53
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)

第十話 切られた


音が響いた。
それによって鳥たちが一斉に羽ばたく。

凪はゆっくりと顔を動かした。

拳銃から確かに弾は飛び出した。
けれども、それはあの、ニコラスが持っているものではなくて・・。


「何をしてるのよ・・。私の敷地内で勝手な行動は許さない」


その声はいつもと違って冷静で。


凪の瞳に写ったのは銀色の髪を揺らし、紫色の瞳を憎々しげに細めている彩女だった。
その手には拳銃が握られている。
彩女愛用の拳銃だ。
射程距離と銃弾数をリスクに、発射速度を倍以上に上げた彩女特性の拳銃だ。


「・・・彩女・・・」
「魔神彩女博士」


凪と青年から声が漏れた。


「痛いなぁ・・博士って・・・ふぅーん・・」


ニコラスは手を見て、彩女に目を向ける。
持っていたはずの拳銃は地に落ちており、両手からは血が流れている。
それを服にすりつける。


「博士のオネーサンすごいね。一発で俺の手を貫いちゃって・・」
「私は二発撃った」
「・・何だって?」


彩女の言葉にニコラスは眉を寄せた。


「私の改造した拳銃は発射速度が倍以上に跳ね上がっている。音が重なって聞こえたのだろう」
「・・ふぅーん」


ニコラスは彩女を睨みつける。
凪と青年はすぐさま彩女の前に移動した。
もちろん、守るために。

その様子を見て、ニコラスは舌打ちをした。


「あぁ・・」


そうつぶやくと、ゴキゴキと不気味な音がした。
気付くとニコラスの下に落ちていた拳銃の形が変化している。


「やっぱり・・・うん」


一人で納得するようにつぶやいている。


「!彩女、下がれ!!」


「全部・・・ぶっ壊してやるよ」



ゴォッと風を切る音がした。
そして、何かが切れる音がした。


そう。


なにか・・・が。


「______________!」


彩女の顔が視界の隅に見える。

あぁ、何を言っているの?

彩女、どうしたの?


____エラー

__エラー


______接続ダウン

______運動機能低下

______エラー





________機能停止




なぜ。

そんなにも哀しそうな顔をするのか。


分かった。


既に私が。



切られたからか。