ダーク・ファンタジー小説
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.19 )
- 日時: 2011/10/30 19:02
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
第七話 すがりつく
荒い息遣い
頬をつたう汗
白衣から出ている足が大きく動く
長時間走っているのだろう
「(この曲がり角を右に曲がって、そのまま直線で、二本目の曲がり角を左に曲がったら・・・)」
ぶつぶつとつぶやき、彼女は走る
目的地は_________________戦場と化した廊下________________
つい数分前に、巨大な反応があった
場所を特定すると、ココからはかなり距離のある廊下だった
その反応は二つ
彼女はすばやくソレをスキャンする
二つの反応は・・・<黄>
この反応色は〝危険度色〟といい、危険な順に
蒼紅(そうく)
紅(くれない)
蒼(そう)
藍(あい)
紫(し)
緑(りょく)
黄(おう)
橙(だいだい)
桃(とう)
となっている
この色を見る限り、そんなに大きく危険ではないが・・
自分の研究所や、多くの人々が出入りするこの建物で問題を起こすのは止めてほしい
そう思い、彼女は走り出し、現在に至る
目的地に着いた彼女が見たものは・・・
冷たい床に横たわる少女と、ソレを悲しそうな冷たい眼で見つめている少女だった
少女はこちらに気づき、にこりともせずに語りかけた
「破壊しました。〝出来損ない〟の兵器です、安心してください」
「〝出来損ない〟だからといって・・・何故破壊するのです!!」
怒りを含ませながら、彼女は言った
少女はしれっとして、言い放つ
「破壊せずにどうしろというのですか。このまま野放しにしていればいつか暴走するかもしれませんでしたよ」
「そのときは、機能を停止させ修復します」
「・・・」
「・・・」
数秒間、二人は見つめあった
不意に、少女が肩の力を抜いた
「どの道、コレは使い物になりませんよ」
だって・・・
「人間のココロを持っているのですから・・・。自らが兵器であることを拒絶し、人間であると思い込んでいるのですから」
「!!?そんな・・・誤作動でも起こしたというの!?」
「いいえ。そんな覚悟がなかったのでしょう。だから、人間にすがり付いていたのでしょうね」
淡々とした口調で、少女は言う
「・・・この子の製造番号と製造者を教えなさい・・・」
「№042 製造者は・・・」
「そう・・・分かりました」
そういった彼女の眼は、強い光を持っていた