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ダーク・ファンタジー小説
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.230 )
- 日時: 2013/08/07 12:33
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: T3UB3n3H)
第五十四話 いつも通り
ふと、何かの怒鳴り声で目を覚ます。
あぁ、自分は寝ていたのか。
丁度隣の部屋から。
これは彩女の声だ。
驚いたが、すぐに笑みを浮かべる。
知り合いの博士たちと出会って、どんどん彩女のイメージが崩れていく。
元から自分を偽って生活していた彩女だが、それが仮面だと知ったのはここに住み始めて半年がたったころ。
その仮面の下に冷静で鋭い博士の顔があることに気付いたのが丁度一年が経ったころ。
それなのに。
今日は彩女の可笑しな部分ばかり見ているような気がする、と朽葉は笑った。
「く・・ちは・・」
凪もおきたようだ。
「おはようございます、凪」
「・・・なんで・・そんな変な・・喋り方・・」
まだ意識が朦朧としているのだろうか。
完全に戻ったわけではないようだ。
「わたしはいつも通りですよ、凪」
いつも通りだ。
眠っている間に見たのは過去。
自分が体験した悲惨な過去。
「朽葉・・・?」
「さてと、凪も起きたので博士を呼びましょう」
首をかしげた凪に、朽葉はにこりと微笑んで立ち上がった。
ドアノブに手を伸ばす。
視線を、感じた。
「初めまして。我が主の命令により、こちらへと参りました」
妙に艶のある声が耳に届いた。
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