ダーク・ファンタジー小説

Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.237 )
日時: 2013/08/22 12:30
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: T3UB3n3H)

第五十五話 開幕のベル



朽葉と凪が同時に反応する。

気体の温度を下げて液体に、さらに温度を下げて固体に。
氷の粒が出来上がる。
氷の粒と共に枯葉が舞い、声の主へ襲い掛かる。

ふっ、と音が漏れた。

「素晴らしい反応ですね」

形のいい唇が笑みを作った。
朽葉と凪の鋭い視線が突き刺さる。

「どの博士の手の者ですか」
「無駄口を叩けば容赦なく潰す・・」

持っていた扇を閉じて、にこりと綺麗に微笑む。

「素敵な殿方ですね。でも口説き方は微妙です」

ぴくりと朽葉の肩が動く。

「・・・別に口説いているつもりはありませんので」
「素っ気無いところも素敵ですよ」

その言葉が終わると同時に、凪が相手を蹴り上げる。

「凪!」
「乱暴ですね・・・」

蹴り上げられた当の本人は、口の端から血を流しているにも関わらずまだ微笑みを浮かべていた。
凪の視線がさらに鋭くなる。

「出て行って・・・いますぐに」
「無理ですね」
「…何故ここにきたんですか」

答えようとして口を開き、何かに気付いて口を閉じる。
そんな行動を不思議に思い、眉を寄せる。

「何?」
「隣には…大切な博士たちがいるのですね…」
「…ッ!」




















「開幕のベルは、あと少しで鳴りますよ」