ダーク・ファンタジー小説

Re: STRONG! ( No.20 )
日時: 2013/10/04 16:01
名前: 多寡ユウ (ID: LXRMec4z)












(ねぇ)









どこからか少女にも似た声が微かに聞こえる。
変に籠もっているその声は次第に大きくなり、先程と比べ少しばかり近づいている様な気にさせる。




(ねぇ、起きて)





未だに聞こえる囁きに今度は耳を傾けようと思い、彼女はまだ目が醒めないながらも、それを聞き理解しようとした。




(起きてよ、ねぇってば)





彼女には聞こえてないのだろうか、それはそう判断し今度はしっかり、語りかける。



(あなたがいないと、終わらせられないんだから。起きて、起きてよ)




もう、それはそう口にした。




(あなたがいないと、みんなが起きられないんだよ?)









(………………もうったら!はやくはやく!)




最後に急かすと、それはこれからのセカイで唯1人の王となり、神となる1人の少女の名を口にする。





(起きなさいっ、…………っ!!も〜!!)






それ自身はなんとなく、だが確かに、一つの言葉にした。









始まりにして終わりの王の名を。