ダーク・ファンタジー小説
- Re: STRONG! ( No.36 )
- 日時: 2013/11/17 21:13
- 名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)
「やりすぎだ、馬鹿シュウ」
シュウと《SD》との交戦から生じたビル群の惨状を高層ビルの一室から見つめながら、耳元に手を置き通信型イヤホンから流れてくるセナの声に耳を傾ける。
《レイ。直してくる》
「セナ?・・ええ、よろしくね。ついでに、《SD》が生きてるかどうか見てきてほしい」
《了解》
レイはセナとの通信が断絶したとわかると、近くにあった古ソファに腰掛け溜息を吐く。
(シュウはあんなことしでかしたけど、リンとアカネは大丈夫なの?結構仕事長引かせちゃったし、アカネには当分休ませたかったんだけど、面倒なくらいぶち壊してくれたし、どうしよっかな)
頬杖をつきながら考えているレイに、直後頭が痛くなる甲高い音声が響く。
《レイ!シュウがやっちゃったんだけど!またやっちゃったんだけど!?》
《レイさん!シュウさんがやっちゃいました!またやっちゃいました!》
「・・ああー、わかってるって。こっちの方にも普通にドデカイ振動めっちゃ届いてるから」
《どうすんの!?私はシュウの片付けすんのやだからね!!それぐらいだったら帰るし!宿題終わってないし!》
《私は・・、シュウさんのお手伝いをしようかなと思います》
《ええっ!帰ろうよ!!もう遅いし!シュウとか多分帰るのすっごい遅いよ!?》
《・・で、でも私、シュウさんのウチに居候させてもらう身ですし、それに・・》
《それに?》
《私、シュウさんの家の合鍵、持ってなくて・・》
「あ、それなら私が持ってるから、シュウの家に早く戻りな。こっちはウチらで全部片づけするから」
《え・・、持ってるって・・、なんで・・》
「硬いこと言ってないで、今からそっち行くから」
レイはそう言うと、長いこと耳元にかけていたイヤホンを取り外しソファから立つ。廃ビル内だけあって、エレベーターは動く様子すら見られない。レイは仕方なくいかにも学生風な事を考えながら階段を一歩また一歩と下りる。
「私も宿題、やんないとな」
時間は既に真夜中。日々を勉学に励む少年少女にとっては、この状況はつまり。
明日やればいいや、な状況である。