ダーク・ファンタジー小説
- Re: 銀色に燃えるキャンドル —双眸— ( No.10 )
- 日時: 2014/03/02 17:30
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
「あーもうなんだよ!!」
俺は、誰もいない夜の森を、無茶苦茶に歩いていた。
結局誰も見つからないし 誰とも連絡は取れないしで何もできない
(あーもう こういう時に俺が志乃の力持ってたら エスパーで楓たちをこっちに連れてくんのに!)
そう思えば思うほど、怒りが爆発しそうになってくる。
十字軍のひとりに犠牲を与えてしまったことにも、自分に苛立つ
(…こういう時、風を操る優希が居たら おまえらがどこにいるかとか、喋り声で突き止めてやんのに!)
残念ながら 炎の力を持ってできることは攻撃にすぎない。
(…遥花なんて超便利じゃん!)
記憶がありすぎて、はっきりと、や一週間前の記憶とか、記憶が大量に流れる場所ではあんまりなんだろうけど、植物に訪ねりゃ、楓たちがどこに行ったか。の道のりまでわかるんだ。
(この国の外には行ってないよな…。だって、俺残していくわけ…)
「あ、そっか。俺裏切られたんだ!」
明るく元気に俺は言い切る…が。
(それ、超かなしくね…?)
俺、ひとりパティオの国に残されたらしい。
「なんで…中庭の国に…」
ついさっき街の住民の話から漏れた言葉が、パティオ=中庭 ってわけで。
「でも パティオの国からは なんか出たくない気がする」
どうせ追われる身だし、こんな狭い国から出たほうが良い そう思うのに。
なんだか。
俺が人間界から来たのもここだし 帰るのもココなんじゃないかなって
———別に帰りたいわけじゃない・・けど。
俺は 何かをしにここへきて
何かをし遂げて人間界に戻り、
あいつを撃つ
はずなんだ———………
——
to楓
「・・あたしのピポットの故障かな」
そう思って テントを組み立て終わって 切り株に座って休憩している志乃に声をかけた
「ねえ 志乃。志乃のピポット見せて」
あたしがそう言うと、いいよ。と、リュックサックから ピポットを出した
「…でもなんで——…」
その言葉に返事はせず、あたしは黙々と 志乃のピポットを見た
(ここに、翔太のマークが無ければ)
翔太は…逮捕されたのか。
翔太は…この国から出てしまったのか。
翔太は…
……知らず知らずに考えてしまっていて
あたしたちの中に 普通に沈黙が流れている。
いつもは、会話が途切れないほどなのに。
——翔太が居ないからかな。
いつも大体、翔太が問題起して、あたしが翔太をたしなめて、志乃と遥花が困り顔になって 結局 優希が何とかして
あたしたち三人、連携してるかも
翔太(問題起す)→楓(注意する)→優希(対処する)
あたしはいらないような気もするんだけど。
翔太(問題起す)→優希(対処する)みたいな(笑)
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ピポット 2014.3/1 pm6:18
佐川志乃 32LV ●●■■◆
▲□○□◆
HP200/2000 □○★■▽
攻撃力300/12000 ◆○◆▽◆
防御力1000/1500
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「え・・・・・・・・・」
あたしのピポットと志乃のピポット 何度も見比べた。
自分の黄緑色のピポットと志乃の瑠璃色のピポット
「・・どうしたの?」
優しげに優希も近寄ってきた。
「———翔太が、無い」
あたしが呟いた
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