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ダーク・ファンタジー小説
- Re: お湯を沸かせば出来る魔法 —双眸— ( No.13 )
- 日時: 2014/03/03 20:37
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
to楓
「…で、遅いね」
志乃とあたしは困り顔になった。
さっき、優希が居なくなってから 一時間たって、「たかが一時間」とあたしたちは笑っていたのだけれど。
でも、もうそれから十分、二十分と経過して……。
トランシーバーは繋がらず、一応ピポットが繋いでるので居場所はわかるのだけれど……
「あたしたちも行ってみる?」
あたしが言った
「・・そだね、遥花も心配だし」
あたしは優希の元へ
志乃は遥花の元へ
ピポットを頼りに進むことにした。
———
to翔太
「今日は野宿にするかー!」
俺が言った。
「野宿…?ここで寝るってこと…?そんな——」
さっきから話していて、こいつはなんか品がある気がする。
話していくうちに、だんだん記憶が戻ってきたのか、頭もよさそうだし、どことなく上品な雰囲気が漂っている。
(・・金持ちか。毎日黄金ベットで寝てるとか汗)
親もいない孤児の俺みたいなヤツとは大違いだ
「……しょうがない…だろ?それともおまえ、この辺彷徨って一日中、助けて〜泊めてくださーい!とか叫んで泊めてもらえるとか思うなよ。助けてくれるのは俺ぐらいだぜ」
一応もっともなことを言ったつもり
「・・一応、寝袋は持ってるから」
と、俺は寝袋を一つ、取り出した。
ミニテントもあるから、一応開くけど、
「このミニテントで寝るけど、寝袋ナシか、寝袋はあるけど、じかに地面に触れるか。どっちががいい」
俺が言うと、そいつはミニテントを選んだ
(よっしゃー!)
ミニテントは小さい上に、ペラペラなので地上で寝るのとまったく一緒。
「んじゃ、おやすみー!!」
でも、俺みたいな追われ人が、無事に寝つける一日など 無いにすぎないんだ。
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