ダーク・ファンタジー小説

Re: 銀色に燃えるキャンドル —双眸— ( No.5 )
日時: 2014/03/01 16:31
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

俺はこれから、あっちの世界でもこっちの世界でも罪となる 盗み を犯すのだ。

一歩踏み間違えたら 正体までばれて 異世界人だ!って処刑されちまう。
幸い、大人気の楓たちのおかげで、街の人はそちらに目を生かせていて、ヒゲ&ヅラのオジサンキャラの俺に見向きする奴はそう居ない。

しかも、ここの世界は 人間界よりも防犯カメラとか 万引きGメンだとかそう言うのもないし、見通しが悪いから盗みにはぴったしだ。

さっき志乃からもらった 結構大きいマイバックを手に、とりあいず スーパーに入ることにした。

(んと、肉は腐るから今日分っと。インスタントラーメンも詰め込むか)
高い棚に挟まれたところで、マイバックに ゴソゴソと物を詰め込む

お金は 楓たちの変装ゆるきゃらが人気なおかげで、あるんだけど、今は家を建てるために五人で貯金中。

だからケチって 万引きしているのだ(こういうの 良い子はマネしないでねってヤツだよなwwby翔太)

俺が万引きして ばれて追っかけられたのは人生のなかでも三回だけだ。しかも捕まってないし (これでも手配書が貼られないのがちょっと残念だけど)どうだ!

って威張れることでもないんだけど。

俺らは、一応、遥花のヒーリングを受ければ最高三日は 何も食べなくても、生き延びることはできる、らしい。

伸び盛りの俺には無理な話だと思うけど。

「あ、お茶買い忘れた」
買い忘れるというより盗み忘れるなんだけど。。

でも、何故に俺らは人間だから、やっぱり食事っていうのも必要なわけで。

そう、人間——……だから。

「…この水のが賞味期限が長い」
と、奧の方に置かれていたボトルを詰め込んだ。

俺たちは 人間だ。 人間界からきた刺客とも言える
気付いたら、俺たちは五人になって 追われていた

帰るためにどうすれば良いのかわからない。

俺がこの世界に来て持ち合わせていたものは 割れてしまった妹の形見の綺麗な蝋燭だけ。

俺は元は五つ子だった。今は三人しかいないんだけど。
残りの二人は 殺されたんだ。両親に。

出口へ向かっている途中、ヒゲが手元に落ちてきた

(あ、危なっ!!)
ひげを付け直して一息ついた。

なににせよ ヒゲが床に落ちなくてよかったことを喜ぶ翔太である。

(あーもう、この変装…)
ずっと変装してれば追いかけられないのに

そう思うかもしれないが、あんがい着心地も悪いし、HPの消耗が案外激しいので、こういう 食料が足りなくなったとき しかつけられない。

それに変装も1パターンしか買えるお金ないし、ゆるきゃら象が毎日歩いていたらおかしいものである。

俺はズボンのポケットから、トランシーバーを取り出した。
これも ずっと前に盗んできたものだ。

「・・おーい もうOKだぞー。さっきの路地で集合なー」
スーパーから出て、人の目がないところで言った