ダーク・ファンタジー小説

Re: 理想郷の通行証 ( No.9 )
日時: 2014/03/27 10:13
名前: 御砂垣 赤 (ID: XMukwujP)

 2,the ignorance is a crime


 "掃除"を一通り終え、一息ついたところにそれは訪れた。
 "異形"を一先ずは追い払って綺麗になった街並みを窓越しに眺めて満足そうに手を動かす。──そんな時、
 かろんと和やかな音を引き連れて喫茶店『pandramdall(パンドラムダル)』の扉が開いた。
 それは紛れもなく客の来店を告げるものだが、あいにく今は閉店中だ。その旨を伝える札は出しているはずなのだが、どういうことか──。
「ごめんなさい、今日は開いていな──、馬鹿だなぁ。おまえも」
 ちょうどコーヒーを入れていたライブラリがその手を止めて伺いに行くと、そこにいたのは見慣れないブロンドの少女と引きずられる幼馴染だった。
 少女は肩を貸しているだけの状態なのだが、如何せん身長差というものがあり、ギルの両足がコートを巻き込んで引きずるようになっている。どうも見る限り、ギルの方は完全に意識がないと見える。
「あ、あの。……ライブラリさん、ですか?」
「え? 嗚呼、そうだよ。ここまで運んできてくれてありがとう。預かるよ」
 しばし固まったままでいたライブラリに疑念を持ったのか、少女は恐る恐るといった風にライブラリに声をかける。それに気付いたライブラリは重り付きの扉を足で一際大きく開け、ギルを受け取った。
 預かる、といった言葉に偽りはなく、ひょいとコートをつかんで落ちないようにだけする。
 それを見て人道とは何かという瞑想に入りかけた少女を、一言かけて引き戻すのだった。
「ありがと。つかれたでしょ? お茶出すから入って」
 人懐っこいと形容できそうな子供のような笑顔が入店を促す。
 現実味を感じれないと思いながらも、ラキはおとなしく従って『pandramdall』に足を踏み入れるのだった。

 名はライブラリ。偽名のため呼び名はなし。
 喫茶店『pandramdall』のオーナーであり、ギルが"暗運"、ラキが"銀製飾器"であるのに対し"盗書館司書としょかんししょ"である。
 今が一年で一番暑い海月であるので白い半袖のワイシャツに疑問を持つことはしない。が、彼の浅葱色のマフラーには異議を唱えたい。
 まぁ、暑苦しい黒コートの人もいるし、かくいうラキも長袖の出立なのだが。
「へー。僕のこと知ってんだ?」
 ライブラリはキャスケット帽のつばをはじいて楽しそうに言った。
 二階の居住スペースにギルを押し込み、意識を取り戻して逃げようとしたギルを物理的に眠っていただいたりした頃にはすでに日が傾いていた。どうにしろ今のギルは外を出歩けるような状況ではないとして、なし崩しに同伴することになったラキ共々ライブラリの家に留まることになった。
 そして一息ついて紅茶をすすり始めたころにやっと自己紹介だ。
「"盗書館司書"と言えば、"暗運"や"りゅう"に並ぶ有名人ですよ。真面目に仕事さえすれば"一文字"は間違いないのにいつまでたっても仕事ひとつやろうとしないごくつぶしって」
「え、ホント?」
 後半は嘘です、と言外に告げて紅茶をすする。あ、おいしい。
「……じゃあ"盗書館司書"についての説明はいらないか。あらためまして、ライブラリだよ。偽名だから呼び名はないんだ。上で寝てる"暗運"はギルヴィート。呼び名はギルだよ。ギルちゃんって呼んであげて」
 なんて、本人がいたら不調を押してでも殺しに来そうな戯言を吐く。
 こんなこと、本人がいないこんなときじゃないと言えないしね、といったライブラリに苦笑してラキもならう。
「"銀製飾器"、ラーキフィートです。呼び名はラキ」
「ラキちゃんか。よろしくね」
「よろしくお願いします」
 簡単簡潔な自己紹介だけが終わり、自分の分を入れていたライブラリがコーヒーを注ぐ。静かに口をつけてから口を開いた。
「"銀製飾器"って聞かないよね。新入りさん?」
「はい。昨日から……」
「きのう?!」
 かちゃんと音を立ててカップを乱雑に置く。カップに被害はないが、カップの下の皿が少し浮いてから落ち着いた。
 昨日からということは、きっと仕事もまだしたことがないだろう。少し走っているみたいだが、この調子じゃ細かい制度等は知らないだろう。
 ライブラリは、じゃあ君が……と小さくつぶやいたが、それが届くような距離ではなかった。
 っていうことは……
「血縁者に"名前"持ちがいるな。"二文字"、"一文字"級の」
「は?」
 自分の思考を先取りされたライブラリが再びカップに口をつけようとしてやめた。
 はじかれたように顔を上げ、声のした方へぐりんっと向くと、階段からちょうど降りてきたギルが目に入った。まだ顔色は悪いが、足取りはしっかりしている。
 もしやさっきの自己紹介文が聞こえていたのだろうか、と冷や汗をかきながらライブラリが尋ねる。
「い、いつからそこに? どっから聞いてたのさ?」
「さっき。 昨日の下りから」
 眠そうに答えるギルを見て安堵のため息を吐く。
 ギル自身聞かれたく無い事でも話していたのかと顔をしかめるが、そんなことよりとのろのろとライブラリの隣に座って要求を繰り出した。
「甘いもん」
「…………はいはい」
 まあいい。こんなふてぶてしい幼馴染でも、首と胴体を離さんとする態度よりかはいくらかましなのだから。
 おとなしく従うライブラリを目で追いながら、ラキはギルが甘味を求めたことに瞠目していた。
「二人とも、お互いの名前知らないでしょ? 自己紹介しちゃえば?」
 カウンターに引っ込んだライブラリが棚を開けながら言う。開いた瞬間に香る調味料の混ざった匂いに顔をしかめながら目当てのものを取り出す。甘党の幼馴染のために切らさないようにしているものだ。
「ギル、ですよね。"銀製飾器"のラーキフィートです。呼び名はラキです」
「ラキ、か。あの馬鹿が言ったと思うが、"暗運"のギルヴィートだ」
 存じています、と紅茶を置いて頷く。
「一番"一文字"に近いといわれる"二文字"ですよね?」
「そういわれてんのか? 初耳だが」
「言われてるよ。おまえは知らないだろうけど」
 少し離れたところからも会話には入ることはできる。
「ギルは情報なんかどうでもいい人間だからね。全く、情報やとしての僕の有効活用なんか頭の隅にすらないやつなんだ」
 それってかなり駄目なんじゃないですか? と視線で話しかければ、面倒だと言わんばかりに頬杖をついて遠くを見る。
「話は戻るが──おまえ、血縁者に実力者がいるんじゃないか?」
 そうでなければ昨日の今日で"四文字"などありえない。
 かなりの権力者か、実力者か、ただものでない誰かがラキの背後にいるのは確実なのだ。
 が、そこでラキは困ったような顔をした。
「その、昨日入ったばかりなので、表面的なことは知っているんですが細かいことは知らないんです」
「「…………」」
 そうだよね、とカウンターからのぞき込んでいたライブラリが引っ込んで、その手にマグカップをもって再登場した。
 ココアだ。
「制度については?」
「いいえ」
 すすりながら目を閉じる。誰だこれの教育者は。せめて基盤だけでも叩き込んでから放り出せ。
 説明が長くなりそうだと直感で感じたギルは、呑み込みが悪かったら途中放棄することも視野に入れて話し始めた。

Re: 理想郷の通行証 ( No.10 )
日時: 2014/03/28 09:11
名前: 御砂垣 赤 (ID: mazIWFF0)

「まずはね、僕ら“名前”をもっている人たちがいる世界を“理想郷”というんだよ。そして、その“理想郷”を出入りするためにあるものがいる。なんだかわかるかい?」
「出入りするために? ……わからないです。パスかなにかですか?」
「あながち間違いじゃないよ。大事なのは──」
「──“理想郷の通行証”。つまり俺達の“名前”だ」

「通行証、ですか」
 さくっと焼き菓子を咀嚼する音が響く。
 噛み締めるように重く呟いたラキの声は、緊張感の欠片もないギルによって消された。
 だが、そんな横暴一歩手前の態度ですらどうでも良くなる。今はそんな話をしているのだ。
「……そもそも“名前”があるとどうなるんですか? あるのとないのって何が違うんですか? あとあの黒いの……昼間に初めて見ました」
 顎に当てていた手を離したラキが顔を上げる。
 応じたのはギルだ。
「“名前”はさっきも言った通り“理想郷の通行証”だ。“名前”さえあれば“理想郷”、つまり俺らやあの黒い“異形”のいる世界に干渉できる。昼間のあいつら、あれは一般人には見えてないんだ」
「え、そうなんですか?」
 ギルはココアに口をつけて言葉を切る。
「初めて見たんでしょ? 今まで“名前”が無かったからさ。ついでにいうと、“異形”の相手をしてスイッチの入ってる僕らも一般人には見えてない」
 ライブラリの補足がはいる。
「じゃあ、“異形”ってなんですか?」
「“異形”は、“理想郷”の住人さ」
 椅子の背もたれにくっと体重を預けてライブラリが言う。
「“理想郷”にしかいない黒い有害物質。自我もあるし小狡い所もあるし、なにより言葉をしゃべるやつもいる。そしてあいつらは、──人を食べて進化するのさ」
 ラキが顔をしかめる。
 引っかかった部分は人を食うと言う所なのか、進化するというところなのか。
 だがどうでも良かった。
「“異形”が進化した形のことを“人形”と呼ぶ。見た目は五、六の餓鬼程度で大人しい奴らだが一度暴れだしたら手が付けられないし、何よりあいつらは現実世界にも干渉する。スイッチがあるなしに関わらず、生きる全員が危険って事だ」
 ギルが補足を入れるが、しかしラキはわからないという顔をした。
「スイッチってどうやって入るんですか? 入れた覚えはないけど見えましたよね?」
「あえば入るのさ」
 作用ですか。
 それ以上でもそれ以下でもないと言う説明に渋面を作りかけた。
「昼間のは、スイッチの入った俺とあったから入ったって感じだな。他に質問は?」
 静かに挙手する。寧ろ質問しかなくて困るのだ。
「建物とか遠慮なく壊してましたけど、あれっていいんですか?」
「あれはいいの。壊れたのは“理想郷”の建物だから」
 出入りする度何事もなかったかのように元に戻っているらしい。修理費もいらないから、ギルなんか偶にストレス発散に知り合いを連行してガチバトルだから。と肩をすくめて両手のひらを天に見せて見せる命知らず。
 しかし、“理想郷”の定義は割とよくわかっていないらしい。だから、あまりに突っ込んだ質問には答えられないとか。
 じゃあ、と質問を変える。
「“一文字”とか“二文字”ってなんですか?」
「あ、嘘。そこも?」
 苦笑に顔を歪めてライブラリがぼやく。ココアのカップを落としそうになったギルを申し訳なさそうに見てからカミングアウトした。
 知ったかぶって話していました。
「“名前”持ちには階級があんだよ。下から“五文字”、“四文字”、“三文字”、“二文字”、“一文字”、“名無し”。人口はピラミッドになってて、“名無し”は一人、“一文字”は五人、“二文字”は十人と決まってる」
 “理想郷の通行証”として受け取った“名前”に法則性がある。
 五文字から一文字の漢字で構成された“名前”があり、その単語の一文字を捻って名付けられる。“暗運”であれば、本来ならば暗雲、“盗書館司書”であれば、本来ならば図書館司書と言ったふうに。ちなみにラキの“銀製飾器”は元は銀製食器で、名付けたのは祖父だ。
 仕事の達成割合などで昇格、降格するらしい。それらを纏めているのは“中央国ちゅうおうこく”の女王なのだとか。
「えっ、国を跨ぐんですか?! ──ぃいった!」
「君ならそんな反応をしてくれると信じてたよ」
 立ち上がりそうになってがだんっと勢いよく机に足をぶつけた。静かに悶絶するラキを見て何故か満足そうに頷くライブラリ。
 この人とは趣味があいそうにないと心の底から思った。
 今三人がいるのは大陸北東端に位置する“山海国さんかいこく”。巨大な大陸が一つと小さな島が三つあるだけのこの世界で、間違いなく最大の国。大陸の中心に位置するのが“中央国”なのだ。
「つったって異人いじんが入国することなんざ滅多にない。あるとして、仕事でかち合う程度だろ」
「へ、へー……」
 少し異人に会えるかもと期待したラキは、数秒を要し平生を取り戻した。
 続けるぞ、とギルが前置く。
「はっきり言って“四文字”以下は雑魚だ。階級分けはしているが、最低階二つに実力の差なんざ全くない。そして身の危険が多い」
「ど、どういうことですか!」
 主にそしてと補足された部分にぎょっとして立ち上がる。
 焼き菓子を銜えたままのギルは切迫したラキから逃げる様に頭を引いた。
 今回応えたのはライブラリだ。
「“四文字”や“五文字”は捨て駒として扱われることが多いからね。どう考えても達成不能だけど体裁として対処しておかなきゃいけない案件とか、長期戦の場合の特攻隊編成とかの仕事が多く来るんだよ」
「けど“二文字”以上になると下克上狙いの下級の奴等が道場破りみたいにしょっちゅう来るから、一番安全なのは“三文字”だな。あとは“名無し”か……」
 顎に手を当てて思案する二人。それに引っ掛かりを覚えたラキはストップをかけた。
「そう言えば、さっきから言ってる“名無し”ってなんですか?」
「あ、そうか。えーっとね。“名無し”っていうのは──」
「ただのあだ名だ」
「……………………」
 ライブラリが紅茶のカップ片手に無言でギルを見る。見ないふり知らないふりでしらりと目を外したギルは、いくつか目の焼き菓子に手を伸ばした。
「あだ名、ですか?」
「そう。“一文字”の中で最強の奴につけられるあだ名。実際そんな階級はないんだが、結構な人数が……少なくとも国内の“名前”持ちはそう呼んでるな」
「いつからそんな風に呼ばれてたかは分かんないんだけどね。“名無し”も昇格、降格があるよ」
 今の“名無し”は……と思案を始めて数秒。
 ライブラリはギルのように顔を青くして考えなきゃ良かったと机に伏せた。
「え、え? ライブラリ?」
「気にすんな。ただの自業自得だから」
 後悔と自責の狭間で揺れてるだけだとなんでも無いようにギルは言うが、この人にそんな繊細な心があったのだろうかと半ば本気で心配になるラキ。
「な、“名無し”ってどういう人なんですか?」
「……大酒飲みで博打大好きで詐欺師で世界の中心を自称するおばさん」
「うきゃあああああああっ!」
「うきゃあ?!」
 頭を抱えて奇声を放つライブラリ。その叫び声に思わず声が出てしまった。
「す、凄まじい人ですね」
「嗚呼、凄まじいぞ。年中博打やってんのに借金とかの話が出たことなんて一切ねぇし、the マイペースでやりたい仕事しか引き受けねぇし、詐欺師としてやらかしてっから年中警官に追っかけ回されてっし、噂じゃあ“中央国”の王室から金品巻き上げたこともあるとかで…………序でに言えば、ライブラリはカモられたことがある」
「……あー、それで」
 ラキは頭を抱えてのたうちまわるライブラリを視線で追い、無言で黙祷を捧げた。
「はっきりご愁傷様って言って! 虚しくなるからぁ!」

Re: 理想郷の通行証 ( No.11 )
日時: 2014/06/19 08:25
名前: 御砂垣 赤 (ID: osQJhSZL)

 あ、あの人の話はもういいじゃないかと地獄の底から生還したような声を絞り出すので流石にそれ以上傷を抉るのは控え、話の内容は雑談と変わらなくなってくる。いつの間にか主題は、ギルとライブラリの話になっていた。
「へぇ。お二人、同郷の幼馴染さんなんですか」
「一応な」
「一応って何さ。ちゃんと幼馴染だよ……多分」
 発言に自信の持てないライブラリと、それに疑問符を浮かべるラキ。怪訝に首を傾げるラキとは裏腹に、ギルは割とどうでもいことに突っかかっていた。
「つーか幼馴染ってどういう定義があるんだよ」
「え? そりゃあ、小さい頃から一緒、みたいな? 小さい頃…………」
「いつからだ」
 もしかしたら幼馴染ではなくかるかもしれないと何故か清々したような顔でギルが喋る。
 割とどうでもいいですよ、そんなこと。
「んー、十歳前後までは『小さい頃』じゃないですか?」
「……ラキ、お前幾つだ」
「十五ですが」
 小さい頃に収まる子供だとでも言いたいのかとラキの目が半分になる。
 むぅ、とむくれて睨むラキをしらりと躱したギルは、「別に」と呟いてココアに口をつけた。
 ライブラリは苦笑で諦めを促すのである。嫌な奴だ。
「十歳前後、ね。じゃあまだ幼馴染の範囲に入るかな」
 カウンターに腰掛けて、三人席に座る二人を見てライブラリが言う。
 昔話を語り始めそうなその雰囲気に、余計なことは喋るなよとフードの奥の眼光が見詰めた。相変わらずその顔は拝めないものの、剣呑かつ不機嫌な態度は決して楽しげな感情を片鱗も掴ませないものだった。
「いつ頃から一緒にいるんですか?」
「一緒にいたんじゃねぇ。コイツが勝手についてきてたんだ」
「一緒にいたんじゃないよ。僕が勝手についていったんだ」
(成程仲良しさんですか)
 図らずも重なった事に驚いたのか、顔を見合わせた瞬間ギルは舌打ちをした。きっとその顔も歪んでいることだろうと想像できる。
 ライブラリはにゃははと楽しそうだが、その眼前に迫る陶器の灰皿には気付いていないようだったごづっ。
「────のぉ〜〜〜〜〜〜っ」
「ざまぁ」
「………………」
 のたうつライブラリ。
 ご愁傷様ですなんていいませんよ。残念でした。
「も、もうちょっとさ。手加減つーか、躊躇いつーか、前置きつーか、そーゆーもんくらい考えてくれたっていいじゃないか」
「攻撃される事については不平不満はないんですか」
「順応能力って素晴らしいと思うんだ」
 遠い目してふっと笑う。
(順応するほど茶々を入れた貴方の心理が知りたい)
 最早何を言っても今更だという気がして閉口するラキ。きっとこれが賢明な判断だ。そうと信じたい。
 紅茶のカップを置きもしないラキの落ち着きぶりを見て、腑に落ちない顔をしたライブラリが問うた。
「ラキちゃんの平常心すごいね。何、女の子ってみんなこうなの?」
 世間って中々に恐ろしいもんだね、と立ち直って椅子の背もたれによりかかる。ただの椅子ならまだしも、よりにもよってギルが座る椅子を選ぶあたりこの人の性格がにじみ出ているのだろう。
 腕を組んでさらっと立つその人に言ってやりたい。
 学習能力って素晴らしいと思うんだけど、どうですか?
 とりあえず、世間一般の淑女の皆様が無意味に恐れられてしまっては申し訳がない。一瞬しまったという顔をしたラキは、「育て親に鍛えられたので」と括った。
「凄いな、その育て親」
「俺等の師匠と似たもんじゃねぇか?」
「いや、流石に女の子にサバイバルはちょっと……」
 ライブラリのそのセリフを最後にうーんと考え始める二人。サバイバルを……したんですか。
「……まぁいいや。師匠の事は置いておこう」
「そうだな。何か質問は?」
 思い出さぬが極楽。振り返らぬが仏。
 がらりと表情を変えた二人。現実逃避も甚だしい。
「質問……質問ですか」
「yes、質問」
 にこにことマフラーに手をかけて言う。その腕は背もたれに移動しており、片足で立つライブラリを支えていた。その為に前かがみにされているギルは無言。
 さあ質問。ほら質問。
 Come onと両手を広げて喜色満面のライブラリ。売って変わったさまが逆に気色悪い。確信犯かはわからないが。
 質問はないかと問われてラキは考える。
 強いて言えば。いや、強いて言わなくとも質問はある。質問と呼べるような物ではなく、お願いと言っては図々しい。もしラキとギルが他人であれば唯の要求か。というような質問が。
 しかし、それをずけずけと言ってしまえば質の悪い常識知らず。最善策は「いえいえもう質問なんてありませんよ」でしらを着るか、最大限オブラートに包むかのどちらか。
 だが。
 しかし。
 好奇心旺盛な世間知らずの端くれであるラキに、その手の頭は足りないのだった。
「じゃあ…………」
 黙った後に口を開く。
 どんな質問が出るか楽しみなライブラリと、せめて答えられる質問であってくれと突っ伏したままのギル。ギルはライブラリを押し退けるために机に手をついていた。
 そして。
「……ギルの顔がみたいです」
 未だがっつり顔を隠しているギル。
 体を起こしたまま固まったギルの目は、見開かれていると予想される。
 沈黙一秒。
 速かったのはライブラリだった。
「せぇいっ!」
「おわっ?!」
 しぱぁんっと言う擬音語をほざいて黒いフードを叩き払う。風もないのに、フードはふわりと舞ったようだった。
 ライブラリの予想では、華麗にフードだけを取り払うつもりだった。だが、思いの外ギルが反応できていて、少しずらした頭を強かに叩き、さらにフードの端に引っかかった指が強く引いてきゅっと首が絞まる。ギルは多大なダメージを受けていた。
 そんなことは露知らず。
「ぃやったー! しょーりぃー!! ふだぅっ」
「てめぇライブラリそのうち殺す!」
 諸手を挙げて喜ぶライブラリの、背骨から肺にゴム底が吸い込まれる。灰金髪の彼は小気味よく吹き飛んで床に突っ伏した。
 驚きに身を固めるラキだが、見開かれた金の双眼はライブラリを写してはいない。もっと違うもの。
 見たかったもの。けれどこれは見たくなかった。
 黒いフードの下に隠されていたのは、想像していたより端整な顔立ち。驚きと、困惑と、戸惑いの色が伺える。その瞳は、その髪は、
「っまがの髪に、禍の眼──」
 覚えず手が口を隠す。
 その瞳は、その髪は、一片の曇もない綺麗な赤だった。

 それぞれの地方、若しくは各々の国単位にのみ存在する神話、伝説の類を粒話りゅうわと呼び、それに対して大陸全土に広がる神話、伝説の類を鏡話きょうわと呼ぶ。
 鏡話はすべてを事細かに記したとしても分厚い辞書七、八冊分だろうが、粒話に関しては限りが知られていない。類似したもの、誰にも知られず細々と語り継がれているもの、歴史の下に埋もれてしまったものでさえ粒話に含むからだ。
 そんな鏡話のうちの一つ。
「禍の子」と呼ばれる赤髪赤目の少年が、一夜のうちに国滅ぼしを成したと言う伝説があった。

Re: 理想郷の通行証 ( No.12 )
日時: 2014/07/03 16:54
名前: 御砂垣 赤 (ID: 8hur85re)

 幻国げんこくノスタルジアの伝説は幅広い。
 姫に恋した騎士の英雄が、実らない身分違いの恋を嘆いて狼になった話。糸紡ぎの職人の冤罪を晴らすため、処刑にかけられる覚悟で魔法使いの親友が嫌疑を晴らす話。朝日をみたい昼の神と夕日が見たい夜の神が、犬猿の仲を改めて手を繋ぐ話。怠け者の神と快楽主義の絵師が、賭け事に託けて世界に色をつけていく創世の話。
 それらが、ここに記し切れないモノたちまでもが、全て幻国ノスタルジアのなかで起こったと言う伝説であった。
 無論幻国ノスタルジアは今現在存在しないし、過去に存在したという記録もない。伝説に語り継がれるような地形、場所は世界中で見られるし、此処こそが伝説の舞台であると声高に宣言する場所はそこかしこにあるのだ。
 そんなノスタルジアに終止符を打ったのが、「禍の子の一夜」と言う鏡話である。

 ノスタルジア終末の一年間は、先の魔女狩りの終了宣言で始まる。
 生き残った国民は全盛期の約二割。そしてその殆どが、今まで贅沢の限りを尽くしてきた貴族階級の者達だった。
 貴族階級の者達のその他の民への扱いは、残酷の言葉の限りではない。逃れた者達は、墓場の多く建てられた辺境にまで遠く避難した。
 ノスタルジア終末の一年の一月目、河月。圧政と横暴がまかり通ったその月、国の片隅で死者が生者を襲うという不穏な噂が流れる。
 暗雲が目立ち始めたノスタルジアでは、そこかしこで建てられた墓が荒らされる事件が続いた。
 訝しがられたのも束の間。墓が新しいものから死者が起き上がり、近隣の生者を見境なく襲っていく。襲われた生者の傷には黒い膿が生まれ、それは全身を蝕んでやがて命を奪っていった。
 魔女が怒り狂っているのだ。
 実しやかに囁かれるその噂を、鵜呑みにする者もいなければ無視する者もいなかった。
 ノスタルジア終末の一年の二月目、雨月。国民が死者の動く夜を警戒し、光を求めるようになる。狙って襲われるのは貴族階級の者達だった。
 恐怖に飲み込まれるノスタルジアの片隅に流れ着いた流浪の民。海の向こうの島のひとつからやってきたと名乗る彼らは対抗策にと、白い兎を抱える赤髪赤目の少年を辺境の集落に託した。
 少年は兎を連れて真夜中に墓場を徘徊するようになる。少年は墓に祈りを捧げていた。
 ノスタルジア終末の一年の三月目、霧月。少年の噂は国中に広がる。しかしてその効果は暫し現れなかった。貴族階級の生き残りが少年を懸念し始める。
 少年の連れた兎が、少年を守って一生を終えた。悲しみに打たれた少年は、それでもなお人々を救う。
 少年の滞在する村では人が襲われなくなった。
 少年の祈りは死者を鎮め、少年の涙は膿を清める。国の者は彼を奇跡と崇め、生にしがみつく貴族階級の生き残りが少年を欲した。
「そんな田舎など捨てて国の柱たる我々を守れ」
「墓のない王都より墓の乱立する此処がずっと危険だ。にも関わらずここには圧政に追われてきた人々が沢山いる。この地を離れる訳にはいかない」
「戯言を。我々の命以上に大切なものなどありはしない」
「高慢が過ぎる。助かりたくば足を運べ」
 少年は辺境にとどまり、王族は少年の言葉を素直に受け入れて辺境へ移住する。貴族階級の生き残りは王都に留まり、意地を張った。王都の者は恐怖に晒されることになる。
 そして更に半月が過ぎた頃に、少年が脅威が過ぎ去った事を告げる。
 国中が沸き立ち少年に感謝する中で、更に数の減った貴族階級の生き残りは少年を貶めることを画作する。
 すべてを引き起こしたのは少年である。
 流浪の民が蒔いた種である。
 自作自演に過ぎない。
 その証拠に少年は使者を鎮める方法を知り、病を治す方法を知っていた。
 兎は古くから悪魔の使いである。
 考えても見ろ。“彼が来なければそもそも人々は死なずに済んだのではないか”。
 民の感覚は狂っていた。手を貸したのは、魔女狩りの復讐を企む一人の魔女である。
 赤い髪は禍の子だ。
 赤い目は禍の子だ。
 禍の子は国を滅ぼしにやってくるのだ。
 民は再び湧き上がる。
 王は少年を捉え、遂にその首をはねた。
 ノスタルジア終末の一年の終わりの月、雪月。最後の日。
「おれがなにをした」
 血の涙を流す少年は、怒りのままにノスタルジアを均す。
 貴方達を、脅威にさらさなければならない理由などどこにもなかったのに。
 怒り狂う少年は一晩のうちにノスタルジアを更地に戻す。

 禍の子を鎮める方法は、白い兎を称えて雨を降らせることだよ。

 そんな昔話。


「──落ち着いたか」
「──はい。すみませんでした」
「──いい」
 素っ気のない受け答え。
 マグを手渡したギルは、間の空いてしまう問答の末にどっかりと腰をおろした。ライブラリは制裁済み。その頭に、フードは乗っていない。
 柄にも無く少々焦ったとギルは思う。
 昔から、何度かあった事だ。それこそ、ライブラリと出会った頃は属していた集落から離されていたこともある。その数週間後に二人で師と仰ぐ者に拾われ、暫くは俗世と接することもなかった。フードで外観を隠すことを覚えたのはちょうどその頃だ。
 師の元を離れてからも、周囲には警戒して今までを過ごしてきたのだ。なのに。
 不覚。
 油断した。
 慣れていたのに、
 前にこうなったのは何ヶ月前だろうか。
 間が空きすぎて忘れていた。
 不意打ち、だったのだ。
「…………………………すみません」
 再度ラキが呟く。
 渡されたマグに口も付けず、ずっと睨み付けていたのに今更気付いて少々目を開いた。
「気にしてねぇよ。お前が初めてって訳でもねぇ。それに俺は……」
 それに、と次に続く言葉を紡いでしまってから、ギルはしまったと思った。
 不自然に途切れた文を訝しんでラキが顔を上げる。
 いらん口を開いたか、と後悔はしていた。
「……餓鬼の言葉に易々と揺すられる程若かぁねぇよ」
「ガ、ガキっ?! って、ギルいくつなんですか!」
「さあな。教えてはやらん。お前が俺を抜かしたら教えてやらんでもない」
「不可能です!」
 意地悪しないでください! と餓鬼が喚く。マグを置いて机に乗り出さん勢いのラキを視界の端に、喧しい奴だと片眼を閉じた。
 じゃあ二十。
「じゃあ?! 今じゃあって言いました?!」
「ざかしい。いくつなら納得するんだ」
「真偽が怪しい限り納得するわけないじゃないですか!」
 喧しい。五月蝿い。姦しい。煩い。
 だが、少なくとも調子は戻った様に見えていた。

「君達、暫く一緒にいたら?」
「はあ? ボケたか?」
「別に惚けてはいないんだけどね。でも妥当だとは思わないかい?」
「……初心者の五文字と経験者の二文字か?」
「そう」
「え、でも……」
「大丈夫大丈夫。同行者の一人や二人増えたところで、こいつの懐には全く響かないからね」
「お前の財布も開けろよ」
「うそぅっ?! ……まあその話は置いといてさ。ギルの実力はラキちゃんも知ってるところだろ? ギルも手が増えるわけだし、困る事はないんじゃない?」
「それは…………そうですけど」
「俺は嫌だがな」
「そう言わず。試しにちょっと試験期間ということでさ」
「お前、面倒臭くなってきたんだろ?」
「…………そんなことはないのさ」
「どーだか」

    the ignorance is a crime=無知は罪なり

Re: 理想郷の通行証 ( No.13 )
日時: 2014/07/27 22:11
名前: 御砂垣 赤 (ID: jBnjPLnI)

 3,foreign person

 リスタレクから海沿いに街三つ南下すると、そこは港街から一変、工場の立ち並ぶ場所になっている。
 工場街アズル。
 港街に近く、且つ海沿いにある事から立地も重宝されており、その裏にある鉱山からは良質な石が出てくる。
 これ以上ない好条件。かつて、職人、鉱夫はこぞってアズルへ移住した。
 だが。
 煙突から吹き上げる煙が空を覆い、張り巡らされたパイプと路地が縦横無尽に駆け巡る。
 以前のような活気などまるで感じられない工場街。
 全体的に錆び付いて見える街並みに、ラキは目を輝かせて背伸びをした。
 役目を終えた街、アズル。

「なんだか……思ったより静かな街ですね」
「……そーだな」
 やる気の感じられないギルの返答。フードの奥に潜む目は半眼に収められ、口は無表情を装うつもりで固く閉ざされている。時折思い出して引き攣る以外は、どこをどうとってもご機嫌斜め急降下中の触らなければ祟のない神である。
 その原因はラキの預かり知る所ではあるが。
 聞くも阿呆らしく、語るも憤慨させること間違いなし。元凶たる彼は現在女性の群れから逃げているのだろうか。
 無論その逃走劇をつくった原因たるはギルである。
 そしてお察しの通り、ギルの不機嫌を作ったのはライブラリである。
 ──遡る事三時間ほど。
 舞台は“名前”を持った人間の生命線であった。
 屋根が三つ折り重なった形の独特の外観。ログハウスの様な外壁。赤い塗料の塗られたドアベル。
 アンティークを思わせる見目の、それなりに大きな建物。軽く大きな食堂以上の規模はあるか。屋根も高く、宿泊施設もある場所だった。
 仕事の仲介所、“はしたか”。
 黒塗りの、今にも飛び立ちそうな鷹の彫刻が出迎える外玄関。かからんとドアベルが鳴れば、すぐそこにあったのは賑やかな喧騒だった。
「ここが…………」
 “鷂”屋内。
 ログハウスの見た目に反する頑丈な石畳の床。安定感の保たれたそれに合わせられた、テーブルとイスの数々。入って右奥の厨房のカウンターのとなりには、その更に奥の階段を背に構えたカウンターがあった。
 一仕事を終えたように、重い荷が降りたように、暫しの別れを惜しむように、戦いの傷を癒すように。多種多様な人種が揃い、多種多様な理由で此処にいる。
 この、“理想郷”の“鷂”に。
「何でしたっけ?」
「“は・し・た・か”。お前の頭は随分優秀なようだな?」
「い、いえ。褒められるほどではないですよ」
「成程、褒められた頭だ」
 決して本心から照れたわけでもなく、適当にあしらってもらえることを確信しての演技。存外に真面目な顔で返されてしまい、なんだか腑に落ちないラキであった。
 そんな二人を少し離れてみていたライブラリは、日頃の報復を込めてオーバーに肩をすくめて見せた。
「お二人さん。あんまり“鷂”でイチャイチャしてると、独り身を嘆いてるオーナーに目をつけられちゃげふっ」
「誰がいちゃいちゃしてるんですかっ!」
「眼科行って来い。金は出してやる」
「“盗書館司書”。あんまり嘗めた口きいてると出禁にするわよ」
 が、予想通りに。
 後方右から土足、後方左から手刀、前方カウンターから現実的にキツイ言葉がそれぞれ打ち込まれる。
 後方右、前方からの攻撃くらい予測はしていたが、まさか昨日知り合った今日でラキがギル側に回ったとは思っていなかったライブラリ。まあ、そうは言ってもギルの土足が一番遠慮なく、且つ痛かったので微々たるものだが。それでも。
 四面楚歌。
 が、正鵠を射る。
「いってぇー…………。あんまりだよ」
「因果応報だと思うけどねぇ」
「……にしてもだよ、オーナー・シャーナ。出禁なんて食らったら、僕ら“名前”を持つ者がどうなるか」
 そんなことされたら困るじゃないか、とカウンターに手をかけて立ち上がる。
 恨めし気に顔を現したライブラリが見る先には、細身の煙管を弄ぶ女性がいた。
 紫がかった銀髪を朱塗りの簪で纏め、上向かいにあげて下ろす。毛先が仄かに染まり始めたように紺色の光沢が伺えるその髪は、大人を体現するような形容し難い雰囲気を作っていた。色気、とも呼べるだろうか。
 シャープに整った顔立ちに流れるような銀髪。それら全てを台無しにしそうで、実は台無しにしていない灰色のつなぎ。
 彼女はつなぎの上を脱いで腰に巻き付け、その下に黄色のTシャツを着ている。
 名はシャナイア、呼び名はシャーナ。
 “きん”の名を冠する一文字で、この“鷂”を所有するオーナーである。全世界を見渡して 五人しかいない一文字で、唯一“名前”よりも名前の方が圧倒的に知名度の高い人間であった。
「とか言っといて、どうせあんたは仕事持ちかけたってやらないでしょ? 何に困るっていうのよ」
 どうせ仕事しないくせに、と嫌味も込めて言う。煙管を一回、二回と回して圧力をかけてやれば、件の“盗書館司書”はわかり易く狼狽えて目を泳がせるのだ。
 最終手段。
「それは……あはっ」
「あはっ。じゃないよ阿呆垂れ」
 小首を傾げて恍ける。
 無性に腹のたったオーナー・シャーナは、煙管を獅子脅しよろしく垂直に、且つ手首を利かせて振り下ろす。竹ではないし石でもないが、それはこおんっと言う素晴らしい音を掲げた。
「……あのね。煙管って中々に凶器だと思うんだよ。ね?」
「知らないわよ。……で? そちらのお嬢様は?」
 しゃん、と煙管で示した先にいるのは、仏頂面のギルと未だに目を輝かせて周りを見るラキ。無論ギルが『お嬢様』であるなどとんでもないので、その対象はラキだととれる。だが本人は露知らず、目の前の光景に変わらず見とれていた。
「…………そこの、君よ君。貴女よ貴女。……ねぇちょっと。聞こえてないんじゃない?」
「うーん。えーっとねぇ。……ギル」
 呼びつけた上でよろしく、と言外に頼むと、幼馴染みは一溜め息をついて応じてくれた。
「……田舎者」
「失礼な!」
 田舎に住んでいたわけではないですよ! と噛み付いたラキを見て、オーナーは面白いものを見たかのようにへぇ、と息を吐いた。
「リードでも握っているのかしら?」
「お前も眼科に行ってこい」
「冗談よ。さて、貴女の名前を聞いてもいいかしら?」
 至極楽しそうに目を細め、オーナー・シャーナが微笑む。
 煙管が引っ込められたのを見てどこか安心したラキは、そう言えば自己紹介をしていなかった事に気付いて服を正した。

Re: 理想郷の通行証 ( No.14 )
日時: 2014/07/29 22:24
名前: 猫又 (ID: hZpNfdQr)

 初めまして、猫又と申します。

 読ませていただきましたが、本当に素晴らしいです。
分かりやすい描写。流れるようなストーリー。
 読者として下の下の私が言っても説得力は無いでしょうが、
とても面白いです。

ゆっくり更新待ってます。では、

Re: 理想郷の通行証 ( No.15 )
日時: 2014/08/24 23:48
名前: 楽夢 (ID: Kl5rTrEd)

      こんにちわorこんばんわorおはようございます
      
             楽夢です!!

      自分、読書は好きなので御砂垣赤さんの小説
  
      楽しく読ませていただきました!!

      こんなにも話を考えることができるなんて

      かっこいいし尊敬します!!

      これからも頑張ってください^^

      次の更新楽しみにしてます!