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ダーク・ファンタジー小説
- Re: Reason's〃World's ( No.1 )
- 日時: 2014/04/01 07:45
- 名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)
第1理由 〃「鏡の中の僕。」
「——では槙村、最初から読んでくれ。」
「はい。『ある日の暮れ方のことである。一人の下人が、羅生門の下で…』」
静かな教室に一つの声が響く。
槙村翼は至って真面目な生徒だ。
特に目立つことはないが、学校の活動には積極的に参加する。
友達もそこそこいて、勉強も運動も平均並み、文句のない人生を送っている。
秀でた才能は特にはないが、しいて言えば美術と音楽が得意な所だろうか。
全くもって一般人だ。
そんな彼女には悩みがあった。
その悩みは小さな頃からずっと誰にも打ち上げられずにあったものだ。
悩みは高校に入る頃につれ、大きく膨らんだ。
もう張り裂けそうな程である。
『自分の生きている理由は何なのだろうか。』
何故、生まれてきたのだうろか。
何故、生きているのだろうか。
何故、死ぬのだろうか。
彼女はどんな事をしていても、何故か頭の隅でその事を考えてしまう。
考えたくなくとも考えてしまうのだ。
小さな頃、母親にその質問を投げかけた。
母親は少しの間、ポカンとしてすぐに口を開いた。
「それは、運命だからよ。」と笑みながら彼女に言った。
そんな事で解決していいのだろうか。
そんな小さな回答で済ませる問題ではないはずだ。
本当の回答をしてくれる者はいないのだうろか。
そうこうしている間に時は過ぎた。
中学に入るにつれ、彼女は更にその事を考えさせられる者に直面した。
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