ダーク・ファンタジー小説
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.23 )
- 日時: 2015/07/26 00:56
- 名前: 利府(リフ) (ID: ktFX/uOB)
虐殺のことは、ニュースにもなっていない。
関係者全員が事件を隠し通し続け、3日たっても噂話すらナシだ。
…いや、その逆に町内で囁かれている話があるが。
「サエズリ君の行方が分からない」
犯人の安否が分かってしまえば、事件のことはいつでも表に出せるのだ。
ヤシロ君、ミコトさん…そしてモモのおかげで、警察が知ることもなく
事件はある意味「迷宮入り」を果たした。まぁそれがいいことなのか悪いことなのか、分かることはないと思うが。
「ハルミ、ハルミ?」
「あ、お母さん…どうしたんさね」
あたし達は1週間の休みをチエリ先生から貰い、それと同時に…やはり難解な課題に追われてしまっている。
「さっきお友達から連絡があったんよ」
「え?モモがまた用があるん?」
「いーや。ミコトちゃんって言ってたよ?クラスメイト?」
それを聞いて、あたしは今歩道を駆けている。
モモ以外の人物に呼び出されたことなんてない。
トヤマさんはどれだけ、あたしに興味を持っているんだ?
…やがて待ち合わせの場所へ辿り着いて、ようやく一息ついた。
そこにいたのは、ミコトさん。
と、少し見覚えのある…少年とも少女ともいえる人物。
「久々ですね、センパイ。ホラ…俺っすよ。3日前は助かりましたよ」
「…あ!」
あの時、職員室の場所を聞いてきた子。
じゃ、まさか。
「こいつは弟のタケル。まー軽い奴よ?懐けば愛着わくんじゃない」
欠席と伝えられていた、トヤマタケル君。
「センパイ、改めてよろしく」
彼にはまだ何か、引っかかるものがあるように感じた。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.24 )
- 日時: 2014/08/05 21:02
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
「んで、トヤマさん…」
「は?」
いきなり睨まれた。
「ミコトでいい。モモみたいな呼び方でも全然問題ないから」
わしゃわしゃと髪を撫でられ、一瞬私あたしは犬かなんかという
想像に陥る。
…とまぁ、そういう考えは頭から追い出して。
「じ、じゃっ、ミコト?何の用なん?」
「弟に聞いたほうが早いよ。こいつは専門だから」
専門?
この少年は何の専門だというのか?
「俺の能力だよ。゛黒烏゛」
「え?いや、あたし何も聞いてはいないんやけど…」
まさか…読まれた?
「烏は昔、伝達係だったんだよね〜。ほらタケル、教えんかぁ!」
「ッでぇ!やめろ姉貴、叩くのは…」
そういう能力か…。
目の前で脱線していく話に呆気にとられながらも、なんとかトヤマさんの暴走を止めようとする。
つーかあんたら、そんなに仲良かったんか!
もっとピリピリした姉弟関係かと思ってたのに!!
…2分くらい経過して。
「んで、本題。単刀直入にセンパイに物申させて頂くけど…
センパイ含めて全員、学校の寮に入ったほうがいいと俺は思う」
「…はっ?何か理由があるん?なかったら、あたしは無理よ」
多分、誰でもあたしと同じ対応をするんだろう。
家のことを考えない人間なんていない。
「あるよ?簡単なこと。
゛理研゛は、この街にいる……それだけ」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中に血塗れの影がよぎった。
「体育館の虐殺が、街規模になっちまったら…俺達、死にますよ」
あの中で死ぬのか?
あのようにあたしは死んでしまうのか?
あたしの答えは、決まった。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.25 )
- 日時: 2014/08/07 23:09
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
次の日のあたしは、正門に立っていた。
「よ。ハルミで最後だよ」
ひらひらとトヤマさんは手を振り、ぽんっと肩を叩いてきた。
そのまま玄関に押し込まれるように進むと、もう靴箱は埋まっている。
…洗った形跡があるのは、1クラスだけ。
(やっぱり、皆死んでしまったんだ)
あの虐殺で、サエズリケンジの非道な犯行で。
ほこりが増えた靴箱は全部、遺影のような扱いだ。そりゃそうだ、下手すればその人物の血液くらいしかないんだもの。
あたしが見たのはそれこそ、絶景なんだ。
寮の部屋をそろりと開くと、アパートのような一室があった。
隣からもごたごたと音がして、段ボールを運び出す影が見える。
あたしも出ようと思いドアノブに手をかけた。
「うわっ!?」
だが、何かに腕を押されてひっくり返る。
「あっ、センパイすんません…!」
ドアを開いて頭を下げてきたのはタケル君。
強く打った頭を抱えて起き上がると、彼は封筒を差し出してきた。
「俺、郵便係になったんですよ。外からの配達物とか情報、取り寄せますから!」
「そ、そう…ありがとうね」
勢いよくドアが閉まり、足音が隣の部屋へと移っていくのが分かった。
…ピンポンダッシュか何かか、これは!
次からはドアに不用意に近づくのはやめようと思いつつ、封筒を開く。
1枚目は…
「あ、地図かな」
モモと思わしき字で各部屋、食堂、学校への廊下…と、生活拠点となる
場所が示されている。
しかし、どこか紙の裏面に違和感を感じた。
(何これ…紙切れ?)
ぺらりとそれをめくる。
「え…?」
2枚目は
『Se=失血』
わけがわからない。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.26 )
- 日時: 2014/08/09 20:55
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
ガスマスクを被る頭が揺れた。
彼女の部屋に地図を持ってやって来たのは、やはりあたしだけではなかった。
意味が分からないこの紙切れの文字は何だ、と。あたし含めた二人の目的は、それ。
差出人は彼女。
地図もこの紙切れも、モモからの郵便物だ。
「…モモ?そのマスク、気持ち悪いんだけど」
「あっはは、ガスマスクでビビるとは管理も衰えたもんだね!自称鬼姫も陥落か」
馬鹿にした口調。
その一言で、管理と呼ばれた…カンザキユリの足元には大きなひび。
鬼裂だ。
このままじゃまずい。最低でもこの部屋が潰れる。
「ユリさ…!」
目の前が揺れた。
なすすべもなく落下する、意識。
ユリさんの目は、怒りに満ちていた。
…
「センパイ、センパイ!!」
「ん…」
ばっと起き上がった。
あたしがいるのはベッドの上。
「ごめん…タケル君、迷惑掛けて」
包帯がぐるぐると巻かれていく手。
じりじりと痛むそこは、皮膚がないような感覚を主張していた。
タケル君の必死な目を見て、少し申し訳なくなる。
「タケル君、あたしはもういいから!モモとユリさんを…」
「そんなこと言ってる場合じゃないんすよ!!」
え?
「スズノセンパイが…瓦礫に潰されて、し、死んで…」
言葉を理解できないまま、あたしは目を見開く。
ミヤマさんが死んだ。
…鈴野深山 圧死
戦犯は誰だ。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.28 )
- 日時: 2014/08/19 23:05
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
スズノさんが死んだ1時間後。
モモの地図を見た皆が寮の中にある食堂へ集まり、討論を始めている。痛々しい包帯を巻いたユリさんに対し、その原因とも言えるモモは来る気配すらない。
何なんだあの子は、こんなに皆が騒いでるのにのんきに部屋にいるなんて。
「何だよ、おかしいだろ…?サエズリは、俺らの居場所を知ってやがんのか」
「じゃあ私達は全員死ぬとでも?ハッ、バカバカしい!
死ぬ奴は死ぬ、生きるのは強い者…それが原理でしょ?」
ヤシロ君の意見に異を飛ばしていくユリさん。
突き刺すような反論がただ続いていき、あたしは思わず耳を塞ぐ。
そこで、ポケットが少し揺れだした。
こっそりと携帯を取り出して確認すると、モモからのメール。
『いよっす!やっと反応したなー、ハルミ』
あぁ、やっぱ気付いてないのか。
かといってこんなショッキングな事実は…いくら軽いモモであっても、簡単に言えるもんではない。
『モモ、しばらく部屋にいてくれん?あとで状況は話すから』
送信ボタンを押した。
と、それと同時に…
モモからのメールがまた来た。
『墨が死んだね、貧弱ーってか?ww』
は?
一応言う。
タケル君はモモにまだ状況を伝えていないと話していた。
無論、あたしもモモにスズノさんの死なんか伝えていない。
そんな暇はない。
…まさか、戦犯は。
スズノさんを事故に見せかけて、殺したのは…
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.29 )
- 日時: 2014/08/22 19:43
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
モモは来ない。
皆の討論の中に入ることはできず、頭をよぎった『仮説』を伝えるのも無理だった。
今はスズノさんの死体を安置するため、トオル君達が
死体を部屋に運んでいる。
隣にいるタケル君は青ざめた表情。
「…サエズリセンパイなんすかね、やっぱ」
違うのかもしれない、と思っているのはあたしだけらしい。
虐殺を行えたのはサエズリ君だけじゃないし、むしろ全員が仕組める。
戦犯は1人なのかもしれない。
それとも、極端に言うとしたら…
「センパイ、戻りましょう!相手は俺らが二人でも容易く
殺せるかもしれないんですよ」
タケル君が立ち上がり、あたしの手を引き歩いて行く。
「寮の入口まで一緒に行きますから。姉貴の仕事に
付き合って来たのでド素人が出す゛殺意゛なら伝達できます」
…
君のお姉さんは暗殺稼業か何かをしてたのか!!
という気持ちを引っこめようとするが
「ま、まぁそれに近い仕事ですかね…あ、一応言いますが筒抜けでした」
ですよねー…
でもまぁ、彼の伝達能力なら安心できるか。
「分かった、行くよ」
モモの気配は、しない。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.31 )
- 日時: 2014/09/02 23:06
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
はぁ、と一気に肺に張りつめた空気を吐き出す。
無事にタケル君と部屋に辿り着き、さっきあちらから「着きました!」と連絡が来た。
…モモは犯人じゃない、と信じたいのに。
墨、ことスズノさんが死んだことを、何故知れたのか。
部屋からしばらくは出られない。
もういつ事故に見せかけた殺人が起きるか分からないんだし…
そこで携帯のバイブ音。
『もしもし、ハルミ?ちょっと今食堂で飯食べてるんだよね。
モモもマツリバもいるし、タケルの弁当食べようよ』
「え、弁当?食べます!」
『だから敬語はいらないって!タケルに迎えに行かせるから』
「いえ、1人で行きます…いや、行くから!」
…
断った自分は、モモ犯人説を否定できてないらしい。
サエズリケンジがやった可能性もあるのに、それでも。
「ほんっと…あたしってミコトさんに悪いことやりまくっとる」
青ざめた顔を隠して、食堂へ急いで向かう。
嫌な予感がした。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.32 )
- 日時: 2014/09/12 21:47
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
食堂へ辿り着き、扉を開いてテーブルを見る。
「ハルミセンパイ!」
「よー、季節。豚肉とかパスタとかあるよ、弟君凄腕マジ凄腕ぇ」
モモが唐揚げをかじり、その横にはお腹が膨れたマツリバさん。
どうやら結構詰め込んでしまったようだ。
「よーし、集まった?んじゃ、食べるのちょっとやめー」
「えー!?冷めるよお赤飯、塩味効いてるお赤飯!!」
モモが騒ぐ。
マツリバさんがクス、と笑った。
「まぁまぁ、モモ。後で宜しいではありませんか」
「まずおさらいね。私らも知りたかったことだったんだけど、モモに調べてもらった」
「そー、能力まとめリスト!最後に残ったのがリバーシだから呼んだんだよねぇ」
タケル君がちょっと、と耳打ちしてきた。
「さっきから思ってるんですけど、リバーシとか季節って何すかね…?」
あ、そういうこと…
「モモは名前の一部とかであだ名を決めるんよ。あたしは冬と春があるから季節、
リバーシっていうのはマツリバのリバ、ヤシのシをとってリバーシ」
「そうなんですか!」
タケル君がだからガンダム、それで管理…と、驚きつつも当てはめていく。
「んじゃぁ、コレ!」
広げた紙には、1人1人の名があった。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.34 )
- 日時: 2014/09/21 21:42
- 名前: 利府(リフ) (ID: nWdgpISF)
「特に普通の能力ばっかり。挙げるならガンダムの能力がしょぼいっつーことくらい」
モモがとん、と空欄を人差し指で押した。
全員の目線が1人に向く。
「あとはリバーシだけだよ」
マツリバさんがふ、と笑って胸ポケットから鉛筆を取り出した。
「お教えしましょう、私の能力は゛呪頼゛。
ジュライ、代々マツリバ家が受け継ぐ能力です」
紙の裏にそっと芯を置き、文字がさらさらと描かれていく。
達筆で筆のように流れる字。
(…マツリバさん、すごいんやね)
そう思いながらその顔を見ている、と。
ぱきん、と鉛筆が折れた。
芯がでは無い、その元。
力を入れてすらいなかったのに、どうして…?
「これが呪いです。こうして一族の害になる者にそれを仕向け、
母親のマツリバウタゲ、そして私…代を重ねるごとに、一族は繁栄していきました」
「へぇ」
モモが紙に能力を書き加え、そのまま席を立つ。
どこに行くの、そう言おうとしたその時。
「それは自白と捉えていいのかな?」
マツリバさんの目が見開かれる。
タケル君の顔が青ざめる。
ミコトさんが笑う。
「戦犯、確定しましたぁ」
—Confirmed…
確定、戦犯=マツリバヤシ…
彼女のもとに届いた暗号は…
『Fes=焼死』
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.35 )
- 日時: 2014/10/11 21:02
- 名前: 利府(リフ) (ID: LI/icqd3)
「じ、自白、…とは?」
「あんたが戦犯ってこと」
ミコトさんが不敵に笑って、冷や汗を流すタケル君の肩を
ポンポンと叩く。
怯える子供をあやすように。
「ちょ、ちょっと待って!何でマツリバさんがスズノさんを殺さなきゃいけんのさね?」
「誰も墨を狙ったとか言ってないんだけど。というか…
リバーシが殺したかったの、私と季節、それと管理なんだよねー」
モモが険しい顔でリストを指す。
「こいつがしくじってなかったら…死人は3人だったよ?」
ミコトさんがキッとマツリバさんを睨みつける。
「どんだけ調べても鬼裂、そして呪頼。それぐらいしか、狙ってあの
コンクリートの床をぶち壊す方法はなかったわー。ね、リバーシぃ?」
マツリバさんの腕に、うっすら血管が浮き上がった。
それと同時に、何かが軋む音がする。
ばきっと音を立てて、木のテーブルの脚が一つ折れた。
「…いい加減にしていただけますか?私はこの通り未熟でございまして、
いつ能力が暴走するかの分からないのです」
ガラスが揺れる。
「脅し?」
「そう受け取って頂いてかまいません」
ひ、とタケル君が後ずさりをした。
「…っはははは、大丈夫だって弟君。
こいつ、次に何か破壊しようとした瞬間死ぬから」
モモが傷だらけのある物を取り出した。
シールがそこかしこに張り付けられた、女物の携帯の画面。
『今来たよー、約束通り私だけ逃がしてくれるってことでおk、ケンちゃん?
でも何で個室の真下の廊下なんでしょ?まーいいや、とにかく早く来てね♪
上の部屋から変なおとするs』
不自然に終わったメール。
まぎれもない、スズノさんが打った文字。
「s」を打った瞬間、スズノさんの人生は終わりを告げたのだろう。
「Fes、焼死…意味分かったよね、マツリバ?」
震える。
呪をかけられたであろう物ではなく、゛彼゛に殺されるであろうマツリバさんが。
- Re: ぼくらときみのさいしゅうせんそう ( No.36 )
- 日時: 2014/10/15 21:38
- 名前: 利府(リフ) (ID: LI/icqd3)
「いや…いやです、死にたく…ない…」
うずくまるマツリバさんからは、涙がこぼれている。
あたしには彼女に何が起こるのか分からない。
ただ、彼女が死ぬということ以外は…
タケル君が口を押さえていた。
吐き気があるのか咳き込み、瞳孔を大きく見開く。
ミコトさんは楽しそうにそれを見る。
そして、それは一瞬だった。
目を離したその刹那、マツリバさんが金切り声を上げてミコトさんに斬りかかった。
どこにあったのか分からない、漆黒色のナイフで。
それを一寸もない距離で避けて、ミコトさんは再びマツリバさんを睨む。
「…はぁぁ?それ何よ、嫌な予感するんだけど」
「あなたの白鳥(しらとり)があれば…測定不能が、あれば…私は生き残れるの…」
危機を察したのか、私の横をすりぬけて長い髪とガスマスクがミコトさんの方へ
するりと駆け抜けていった。
「そんッなことは聞いてない!!そのナイフの意味を説明しろ、リバーシ!?」
「…能力を吸うナイフ、種類によって色を変え、それを自分の身に突き刺すことにより
その能力を体へ取り込み、自分の物へと変える」
マツリバさんが獣に見える。
サバイバルで生き残る術を探す、獣に。
「だからトヤマミコト、あなたには死んでもらわなければいけないのッ!!」
モモが叫ぶ。
タケル君が息をのむ。
ミコトさんが身を引こうとする。
ナイフは無情にも、それに突き刺さった。
「…あ、あぁ…」
ナイフを自分の体に突き刺し、笑うマツリバさん。
紫の液体がナイフの刃先から柄まで満ちていく。
「静能力者が、邪魔する、だ、と…?」
血が滴る。
モモの肩と、マツリバさんの腹部から。
「あ、ぁ…お許し下さいませ、どうか私を生かしてくださいませ……」
ぱくぱく、と口を動かしてまた彼女は笑んだ。
彼女の足から髪までが、一瞬にして燃え上がる。
食堂に残ったのは、死臭だけだった。
—first chapter end.
Fes,death.