ダーク・ファンタジー小説

独 白 〜牧瀬流風 十八時十三分〜 ( No.15 )
日時: 2012/06/14 23:06
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/8/

 はいは〜い!
 流風タイムの時間だよ。
 拍手ぅ〜。

 【パチパチパチパチ〜】

 ——はぁ〜、全く……。

 彗月くんがまさか動いているとは正直、思わなかったねぇ。
 今回の事件が起こった現場を考えれば彼を動かしてはマズイと思わなかったのかね、所長殿は……。
 おかげさまで彗月くんは吐いちゃったみたいだし。
 それに鳴にゃんに二八二八さてもらったし——って、僕の馬鹿っ!

 ——ゴホン、まぁ〜美玲ちゃんの思惑はさておき……。

 今回の事件は何と言うか、複雑な気分になっちゃうよねぇ……。
 夢想薬の開発に関わっていたであろう「魔法遣いになるまでの軌跡とその末路」を立ち上げた人物と「夢見る愚者」と名乗る集団にそれを束ねる「大司教」と呼ばれる人物……。

 ——これらは全て何か関係性があるのだろうか?

 こればっかりは「大司教」と呼ばれる人物に問わないと分からない。
 なぜなら「大司教」と呼ばれる人物が自ら束ねる集団の幹部クラスであろう使徒たちに現地政府お抱えの研究所にしかない、夢想薬の原液を渡したのだろうから……。

 だけど、これは何の確証も得ない僕の推測にすぎない。

 たまたま彼らが独自のルートで夢想薬の原液を入手したのかも知れないし……。
 ホント、ただの噂究明だった仕事がとんだ大事件へと発展したもんだ。
 それに僕たちの情報を彼らがどうやって掴んだのかも気になる。

 ——ふむ、分からない事ばかりだ。

 でも、一番分からないのは夢想薬を過度に摂取する事によって起こる、あの副作用の事は使徒のお兄さん方は知っていただろうに……。
 そこまでしてやり遂げたかった目的とは一体何だったんだろう?

 お兄さん方の会話から「討伐」やら物騒なワードが出ていたし。
 それに「時統べる魔女」と「その部下である眷属の五人」ねぇ〜。
 色々と勘違いしてらっしゃるみたいですなぁ〜。

 ——まぁ〜いいや、こちらとしては好都合だしね。

 さてと……。
 報告がてら後輩のパシリでも遂行しようかね。
 後輩を使いに走らせた張本人は首を長〜くして待ちわびているだろうから、ね……。