ダーク・ファンタジー小説

Re: 黒夜な熱に染められて ( No.3 )
日時: 2014/09/07 16:57
名前: 愛淋 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)

to1


小学校に、わたしはいた。
そろそろ給食の時間だった。

ひそひそと、派手なクラスの女子が集まって、手にしている物を見て、わたしは嫌な予感がした。

(・・)
無言で、その様子をじたーっとみていると、私は話しかけられた。

「沙奈?大丈夫?」
親友の桃花だった。

「あ、うん。」
「顔色悪いよ?」

あ、そっか。その方法がある。

わたしは、その時期を見計らって保健室へ行った。
全く気分は悪くないが、気分が悪そうなフリを装った。

だからベッドで寝かしてもらえて、しかも給食を食べなくて済んだ。

養護の先生が、給食を食べ始める音がした。

(急げ・・早く)
先生が給食を食べているというコトは、桃花も食べているのだろう。
本当はもっと早く抜け出して給食室に向かおうと思っていたのに。

「…黒崎先生?!」
その瞬間、ガタガタとスプーンが落ちたり食器が割れる音がして、ごとっと人がスツールから落ちた。

(ああ、またか)
とわたしは思った。

そのまま、もう一人の先生も倒れ、保健室は無人の状態になった。

わたしは、そのまま教室へ移動を始めた。
自分のクラスだ。

(おかしい—・・。普通は校長が毒見してから食べるはずなのに、校長の給食には毒はないということか?)

裏から回れば、教室の前を通らずに、教室の天井から入り込めるルートを回った。

家から持ち込んだおにぎりを食べ終わってから、すぐに滑り込むようにした。
教室のベランダの片隅で、嘲笑うように、五人の人影が見ていた。

わたしは天井から、霧吹きであるものを教室と、床と人間全体にかけて、消毒してから、五人が見てないうちに、さっと飛び降りると、

わたしも、毒にやられたふりして、倒れた。

親友の桃花の上に、折り重なるように。


     ф

気絶したフリをしていたわたしは いつの間にか眠っていた。

彼岸花が落ちているので、いくら消毒したとはいえ、直に床に触れると毒にやられる確率が高い。

5人の人影が立ち去った後、わたしはすぐに立ち上がった。


(学校が毒にやられている)
それだけではないかもしれない。

村中にある彼岸花が、嫌らしいぐらい真っ赤だった。


(給食室に向かおう)

Re: 黒夜な熱に染められて  —毒にやられた学校— ( No.4 )
日時: 2014/09/07 17:40
名前: 愛淋 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode

to2

うっかりしていた。

まさか寝てしまうとは…


彼岸花の威力を少し浴びたのかもしれない。と思った


給食室へ向かう前に、職員室前を通ると、先生のほぼが、無人or横たわっていた。

(もう毒が身体を回ってしまったかもしれない)

そうなると厄介だ。
早く毒を抜かないと、死亡のリスクが高まる。

特に、クラスの大食いなんかで、彼岸花の毒を10グラム以上食べれば、死亡確実ともいえる。

彼岸花は綺麗な花だけど、これだけ村に生えていると、なんだか毒も何も感じない気がしてしまう。

触ると皮膚炎が起きるし、とても危ない。

(本当に生き残りは、わたしとあの5人だけなのか?)
ほかに、わたしのように食べていない人はいないのか?学校中の人間は全員毒にやられたのか?

どれだけ威力があるのだろう。
皆倒れるほど、彼岸花にもともとの毒の威力はなかったはずだ。


その時、お手洗いで物音がしたので見に行ってみると、嘔吐をしている少女が居た。
ドアは全開だったので、急いでいたのだろう。

「・・大丈夫…か?」
わたしは近寄り背中をさすった。

「…ごほっ——・・」
少女はしばらくして、わたしとお手洗いを出た。

「水は飲まずに、口を漱ぐだけで良い。じゃないと悪化するらしいか
ら」
「ありがとうございます。」
貰った水を口に含んだ少女は、笑顔を見せた。

「——…」
随分痩せていた。

この子は、おかげで毒の効果はなくなったのか?

ふらふらしている少女に名前を訊いた。

「私は、黒杭沙奈。6年。名前は?」

「坂折りのって言います。5年2組です。よろしくお願いします。」
クラスの風紀委員みたいで、正面から見ると目パッチリでとてもかわいらしい子だった。

「りのちゃんか・・」

「——今日は、ちょっとやばかった…」
りのが呟いた。

「毒が入ってたかもしれないからね。」
わたしが言った。

「毒?!」
りのがビックリしたように呟いた。

「うん。これからちょっと調べるつもり。体調は?」

「今は、大丈夫です。」
ということで、りのが毒に超興味を持ってしまったため一緒に学校の中を散策し始めた。

Re: 黒夜な熱に染められて  —毒にやられた学校— ( No.5 )
日時: 2014/09/07 18:17
名前: 愛淋 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode

to3

散策とは言っても、沙奈(私)にはやりたいことがたくさんあった。

とりあえず、動き出さないと意味がない。
ひとりの親友、桃花と、幼馴染の爽太を救出したいのだ。

後の人間は、出来れば全員助けたいと思っている。

動き出した時、夕暮れの日の光が窓から射した。


「あ・・もう4時すぎていたんだ!」
りのが無邪気に笑った。

「ほんとだ。」
うっかり3、4時間も寝ていたのか?
それには 私自身びっくりだった。

逆に、りのは何時間もずっと——と思うと、疲れが出たのではないか。と心配が出る沙奈である。


夕暮れの日の光が、わたしたちの影を映す。

「…りの、身長高いな」
わたしは言った。

「そうですね。高い方ですよ。156センチあります」
小5で・・・
と思っていると、

「沙奈さんは…?」
「あ、152センチ」
これでも大きい方なんだけどwと思いつつも。

「そーですかー…」
ふるまい方から、育ちの良さが感じられてくる。

背は高いが、足が長くてすらっとしている。
性格は可愛らしいのに、カッコイイ服着たら、大人っぽくなっちゃいそうだ。

「—生き残りが居ましたよ…レイカ様」
「それも一番皮肉な方々がね。」

うしろから、5人の影が迫ってくるのが分かった。

「レイカ・・・?」
わたしは、振り向いたりはしなかったが歩調を速めた。

「——沙奈さん?」
りのもついてくる。

「誰…?」
りのが振り向きそうになって、わたしはなぜか思わず止めた。

「振り向かないで。」
5人の影に、彼岸花がうつっている。

「毒にやられたらおしまいだ・・・」
わたしは淡々とつぶやいた。

これで生き残りが居なくなってしまう。
きっとでもあの5人は、自分たちも少量の毒を浴びるはずだ。

なぜなら、自分たちがやった と言う証拠をなくすため 自分も被害を受ける必要があったからだ。

他の人よりかは少な目でも。

それか 倒れたフリを装うか。


背中が怖い。

ドンドン迫ってくる5人が、りのを毒に被うかもしれない。それが心配だった。

階段を上がっていく。

奧へ行けばエレベーターがあったのに、わたしは階段を上がることで、向こうの持ち物を確認したかった。

Re: 黒夜な熱に染められて  —毒にやられた学校— ( No.6 )
日時: 2014/09/08 15:54
名前: 愛淋 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode

to4

どーかしてる。

なんかおかしい。

(どうしてあいつらは、学校中の全員を、こんなことにしたかったんだ?あいつらが憎み、恨んでるのは、黒杭という忌々しい名字を持った、私だけじゃなくて?)

疑問を壁にぶつけ、声を押し殺して、図書室のカーテンの脇から、りのと顔をのぞかせた。 

「上手く隠れたと思ったんですけど。」
りのも気付いている。

正直言って、今 図書室の近くにあの5人は居る。
壁際に頬を押し付けているから、気配や声が向こう側に居ることを知らせている。

隣には小さい窓があったので、見ようと思えば外を覗けたが、覗かなくてもりのと沙奈には気付いていた。

どうして 逃げているのか。りのにはさっぱり分からないはずだ。
正直、わたしについてこれるその行動力には、なおさらびっくりした。


「…気配はしませんけど、一応探してみましょうか?」
「そうね」

2対5 

人数的には有利であり不有利であるともいえる。

「——りの、合図したら窓から出るぞ。」
「…はい」
声を押し殺してアイコンタクトを取ると、音がたたないよう、また見つかる前に

ゆっくりと、窓を開けた。

沙奈やりのの持ち物の中で金属性のものは、当たって音が鳴りやすい。
それを感じて、沙奈はペンダントをしっかり服の中に入れておいた。

「行くよ」
そのまま 窓からさっと通り抜けたものの、わりと大きくない窓から、背も足も長いりのが通り抜けるのは難しかったようだ。

ごんっ

「痛い・・!」
頭をぶつけた瞬間、りのが涙目になった。

その瞬間

「居た!!レイカ様!!」

(しまった!自分の感覚でりのが通れると思ったら大間違いだ!)

自分を悔いるも、今更遅い

こうなったら、トコトン相手してみるしかない。

(向こうの存在を毒で穢さずに、自分たちの身を守らないと…)


とりあえず沙奈は、霧吹きを取り出した。
人体には影響のない、消毒剤だ。

「りの、大丈夫?!とにかく逃げて!この場は何とかしとくから。」
わたしが悲鳴のように叫ぶがりのは 頭を押さえながらも、この場を離れなかった。

「早く!」

あいつらに訊きたいことはいっぱいある。

毒は、彼岸花だろうが、何を混ぜてこんなに強力にしたんだ?

なぜ、校長は毒見したときに影響を受けなかったんだ?
でもなぜ今校長は倒れているんだ?



「嫌です。」

「そんなことはどうでもいい。だから早く行くぞ。」
その瞬間 後ろから全く聞き覚えのない低い声が聞こえて、そのまま2人は抱きあげられた。」


「——レイカ様、逃げられました!追いかけましょう。」
「分かってるわよ。」

後ろで悔しそうな5人の声が聞こえる。

(誰…?)

りのもびっくりしている。


「レイ・・・・・・・・・・」

Re: 黒夜な熱に染められて  —毒にやられた学校— ( No.7 )
日時: 2014/09/08 19:54
名前: ピノ (ID: QNccqTkk)

どうも,ピノです!
こないだはコメントありがとうございました!
とても,おもしろくて,読みやすい作品ですね!
続きが気になる〜^_^
これからも、ちょくちょく見に来るので頑張ってください!