ダーク・ファンタジー小説
- Re: Happy End と Bad End ≪参照140突破!≫ ( No.19 )
- 日時: 2014/10/08 18:40
- 名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)
EpisodeⅩ
お亡くなりって……。
「な、なんで悠斗さんが……、死ななくてはならないの……?」
あんなにこの間までは元気だったのに。
どうして……。
「原因は不明です。突然の心肺停止で昨日、お亡くなりになりました」
淡々と告げる。
「……」
何も言えなかった。
そのうちに涙がこぼれてくる。
それじゃと言って医者は出ていった。
看護婦もすでにその部屋からいなくなっていた。
空っぽになった私。
彼が私のすべてで、私自身だったから。
彼がいなければ私は私でなくなる。
声にならない叫びをあげる。
病室中をそれでみたす。
後日、私は彼の墓にいった。
石碑をみると、ちゃんと彼の名前が彫ってある。
「悠斗さん……、なんで死んでしまったの……?」
数分、まっても返答はもちろん、なかった。
彼のあたたかい腕の中で泣きたかった。
本当はまだ、悠斗さんなんて死んでないじゃないかと思って……
ここで腕を広げて待っているんじゃないかって……
期待してた。
でも彼の身は本当に滅びてしまったのだ。
「悠斗さん……」
彼が眠っているとされる墓石の下らへんをなでる。
唾さえも飲み込むことができない。
辛い、辛い、辛かった。
悠斗さんがいないだけで世界が真っ黒に染まっていった。
私にはもう何も感じられない。
悠斗さんは私にとって必要な太陽だったのだ。
私は悠斗さんからもらった誕生日プレゼントをその場で開けてみる。
ネックレスだった。
金の鎖でつながれて大きなピンク色の宝石がある。
そして手紙には——
誕生日おめでとう、美波。
今日から人のために尽くしていこう。
俺の目標でもあるこれを二人で達成しよう。
俺の愛しの人よ。
俺と一緒に生きよう。
泣きたくなってしまった。
二人って。
もうできないよぉ……。
でも悠斗さんのやりたいことなら……私はやる。
私が悠斗さんの目標を達成する。
だから今日も人のためにみんなのために動かなきゃ——