ダーク・ファンタジー小説

Re: Happy End と Bad End ( No.31 )
日時: 2015/03/23 17:29
名前: 音宮 (ID: laaGvqHD)



だけど、今は違う。
悠斗さんを追いかけていた私ではない。

昔とは、違うんだっ。

悠斗さん、あなたは私を独り占めにしたかったの……?
あの手紙で私を、私だけを見て愛し続けて、私をあなたから離れないようにしたかったの?

分からない。
死人に口なしだから。死人だから、悠斗さんは。
悠斗さんはでも私を最後まで愛してくれたことには違いない。
でもね、私は、恋愛的な意味で悠斗さんを多分、見たことがなかったんだと思う。
悠斗さんに対する愛は、憧れと尊敬、そして……、友情。
恋によく似ているほどに、あなたを友として大好きになってしまった。
勘違いするほど、あなたを愛していた。
あなたとは違う意味で、あなたには理解できない愛で愛していたの。
それがあなたはもう私自身が気付く前に知っていたのね。
だからあなたは悔しかった。

こんな方法で私を手に入れようと……。
裏切られた気分でもあり、なんだかよく分からない。
悠斗さん。
あなたのその気持ちはすごくうれしい。
だけどね、だけどね。
私は、応えられない。

だってね、もう好きな人が出来てしまったの。
彼は、私を最後まで見守ってくれた。
そして私の周りを明るく照らしてくれたんだ。

彼を見るたびに、この高鳴る胸、いつからだったんだろう。
何時から好きになっていたんだろう。
そんなの、もう分からない。
もう気付いてしまったこの想い。
彼に届けたい。

彼に好きって言いたい。
悠斗さんもそうだったんだね。
なんとしても、どんなに汚い手を使っても私を手に入れたかった。
今なら分かる気がする。
悠斗さんがしたことに、悠斗さんがくれた愛に。

私は今日、君に伝えます。

「好きです、美濃君」