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ダーク・ファンタジー小説
- Re: Happy End と Bad End 【5/1 更新】 ( No.41 )
- 日時: 2015/05/15 17:10
- 名前: ・ス・ス・ス{ ◆93nWkRSozk (ID: laaGvqHD)
第六番
「我妻真琴」
そうフルネームで呼ばれることも少なくはない。
なぜなら敵対心を私に抱いている人が多いから。
敵対心を抱いている人がフルネームで絶対に呼ぶかって言われたらそうじゃないかもしれない。
だけど、なんだか私は嫌だった。感じの悪い発音で呼ばれるのも、なんだかバカにしたような感じで呼ばれるのも。
私は、同士否、友達が欲しかった。
敵対心、ライバルじゃなくて、何でも語り合える友達が欲しかった。
今まで私に近づいてきたのは、ライバル心からか、それとも羨ましい心か、それともお金にたかってきたか、そのうちのどれかの心情を抱いた人ばかり。
だから私はどこからか、孤立した気持ちになる。
『孤立』
多分、私の中で一番、恐れている物体のないもの。
感じるものだからこそ怖い。
一人だから怖い。人間は一人では生きれない。それは、ここからきているんじゃないかと私は考える。
だからいつも、周りに笑顔で挨拶。
それでも孤立してしまうのはなぜ?
私はなにもしてないよね。何も悪いこと、嫌なことなんてしてない。
でもなんで私はいつも一人なの。
その答えはいつになっても分からなかった。
あいにくなぜかいつも双子の兄の我妻優和とは違うクラス。
兄には多くの友達が存在するのに、私には一向に出来なかった。
同じ環境で育ったのに、同じものを与えられて生きてきたのにこんなにも違うのはなぜか……?
それをいつもぐるぐると考えて、一日が終わってしまう。
今、欲しいものは何かと誰かに尋ねられたら、きっと私はこう答える
『信頼できる学友です』
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