ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.27 )
日時: 2014/10/24 02:12
名前: 穂逆 深去 (ID: V70KaHly)

コメント下さい(泣)ーーーーー!
少年目線に一旦もどります

第4章[もう一人]

ドクン、ドクン。
胸の動悸が収まらない。

これは、なんなのだろう。
この火照る頬は何だ?
この収まり切らない気持ちは何なんだ?

僕は彼女とは初対面な筈なのに。
とてつもなく懐かしく思うのは何故?
とてつもなく悲しくなるのは何故?

[一緒に居ましょうね。ずっと、ずっと。]
頭の中で知らない少女の声がする。
[そうだね。ずっと。]
それに答える知らない少年。

この記憶は何?

ノバシタテハ トドカナイ
キット イッショウ トドカナイ

(何だよ、何なんだよ……………!)

トドカナイノナラ イッソ

(ダメなんだよ[それ]は[それ]だけは……)

コワシテシマエ コノテデ

「ダメだ!それはしちゃいけな」
(どうして?)

否定した声は、抗えず潰される。
もう一人の自分の問いに答えれなかった。
もう一人の自分が嘲るようにわらう。

(どうして?お前が決めたんじゃないか。…………いや、俺か?)

違う。[僕]じゃない。

(まあ、どっちだっていいな。だって、お前は)

ち、が

「[俺]なんだから」
(俺なんだから)

抗う気力は既になく。
自分の顔は既に[彼]の顔となっていて。

[僕]の意識は落ちていった。
嘲るような笑みを浮かべて。