ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.32 )
日時: 2014/11/02 17:46
名前: 穂逆 深去 (ID: V70KaHly)


少女目線デス。
第5章[手<結>手]

「ビ……ビリーブ!どうしたの?」
「わ……た、あ………カイく、ん」
私は、何をしていたのだろう。
カイ君が倒れて……、それで…、
「カイ君!?大丈夫なの!?」
「え………?大丈夫だけど………」
そうだ。思い出した。カイ君の目が急に真っ黒になって………私は……、
「痛っ……………。」
「ビリーブ!?……えっ、首どうしたの!?」
彼が不安気に夕焼け色の目をふるわせる。


「もしかして………僕が、やったの?」


「い、や、そうじゃ…………」
「そっか………僕がやったんだね。」
否定しようとしたが、声が出なかった。
彼の目が、あまりにも悲しすぎて。
今にも死んでしまいそうで。

「さっき………気を失う前、聞こえたんだ。<もう一人>の自分の声が……。<コワシテシマエ、コワシテシマエ>って。……起きたら、君が目を開けたままへたり込んでて……………」
彼は泣いていた。
どんなにつらくたって、泣いてない、と言っていた彼が。

大声で泣いていた。