ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.35 )
日時: 2014/11/03 09:19
名前: 穂逆 深去 (ID: V70KaHly)

(いつも私は置いてきぼりだ)
母にも。カイ君にも。
でも………。

今回、私は彼が出て行く所を見ていた。

何故、私は引き止め無かったのだろう。
寂しい、って。
行かないで、って。
一緒にいたい、って。
言えば良かったのに。

(私は………怖かったのかな?)
本当の心と向き合うのが。
もしダメだったら、と。
でも、それは、

普通の人間も一緒じゃあないか?

今まで能力があるからと、逃げてきたけど
普通の人間だって、不安で、それでも、伝えて、それで、

人と人はつながっていくのでは?


(言い訳してたのは……[私自身の弱さ]だ)

あの時、私は誓った。
彼を支え、守る、と。

(彼が、どんなに、怖い力を持っていたっていい。)
きっと、その力に一番怖がっているのは彼自身だ。

「今、いくからね。カイ君。」


私は、扉を開けた。

外は星の煌めきと共に、少し早めの雪が降っていた。