ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.51 )
日時: 2015/01/02 02:31
名前: 穂逆 深去 (ID: ZHKrBVHH)


「……あ、“遊び“って……あの“アレ“ですか………。
じゃあ、カイさんって男に、もう“初めて“を……?」

「ん………まぁ、そうだね」

ビリーブが、顔を赤らませながらそう聞くと、
カイは事もなげにそう答えた。

彼にとって、この事はもう“終わってしまった事“なのだろう。

“人間“として。

大事なものが奪われたというのに。


「じゃあ、続き話すよ………。そんな生活を送っていた少年は
ある日鎖を外され、納屋から出されました。逃げれる、と思いました」

「…………」

「でも、それは思い上がりでした。少年はただ、他の村との戦いの道具として生かされていただけだったのです。
そしてその前の月に、少年のいた村は、他の村と和解したのです。
利用価値のなくなった今、少年はただ」

「………“殺されるだけ“ですね」

「…正解。…少年は死ぬ事なんか怖くないと思っていました。
殺されそうになる、その時まで」

「…………」

「でも、いざ殺されそうになると、少年は怖くなりました。
怖くて、怖くて、たまらなくなりました」

「…………」

「自分を殺そうとする奴らを、とても憎くなりました。
お前らは自分から全てを奪うのか、と。そう思ったら少年は」

「……そして“壊した“」

「気がつくと、少年の周りは死体だらけになっていました。少年も血だらけで口の中は血の味がしました」


そして、少年は“人間“から“化物“になりました。