ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.53 )
日時: 2015/01/06 02:03
名前: 穂逆 深去 (ID: ZHKrBVHH)

「……これで、僕の昔話はおしまい。
何か質問はある?」

カイは疲れきったようで、そう聞きながら寝てしまいそうだった。

「………一つだけ…聞いてもいいですか?」

「何?」

ビリーブは難しそうな顔をして、“カイが喋り始めた頃から“感じていたある疑問を口にした。



「…あなたは今、“どちら“なんですか?」



「…えーと、質問の意味がよく、分かん」
「とぼけないで下さい」


ビリーブは呆れ顔で“彼“に告げた。

「…あなたの“眼“」

「半分が“朱“で半分が“黒“になってますよ。
それで気付かれないと思ったんですか?」


「……あらら」
ビリーブの忠告に、“彼“は先程までの口調を崩し、そう言った。


「…でもその口振り、“俺“の方だって事は分かってるみたいジャン?」


「……カイ君っぽくなかったので、
“あなた“かな…とは思ってましたけど、
眼の色が“こう“でしたから……」


ビリーブの言葉に、“彼“はニヤニヤとわらいながら、頷いた。

「愛の力で、って訳か………。
とりあえず、なにはともあれご挨拶させてもらうヨ★」


そうして“彼“は。


“カイ“とは正反対な“彼“は。


そう高らかに挨拶した。




「ビリーブちゃん、お久しぶり★
“彼“こと“もう一人のカイ“こと“俺“だよ!!!
まぁ、分かりにくいから“俺“のことは


        破壊


と呼んでくれると嬉しいな★」




無茶苦茶で


殺人鬼で


楽観的で


“カイ“のもう一つの人格である“彼“こと


“破壊“は



そう高らかに挨拶した。





※“破壊“は裏カイくんの事です。