ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.56 )
日時: 2015/01/12 18:01
名前: 穂逆 深去 (ID: gYu/uyWc)

第7章[静かな異常]

「……というか、あなた前よりおとなしくありませんか?
前は、人を見ただけで切りそうな勢いだったのに」

ビリーブの言葉に、”破壊”は口を歪めた。

「おいおい……人を殺人狂みたいに言わないで欲しいナ。俺だって、一つの人格ダゼ?」

「(……殺人狂以外の何者でもないですよね)」

彼女の顔を見て、”彼”は口を歪めたまま笑う。

「…言いたい事はなんとなく分かるけどサ、…
…まぁ当たり。今の俺は”完全”じゃないからネ」

「……どういう事です?」

彼女の質問に”彼”は答える。

「アイツは俺の事を
”本心”だっていうみたいだけど、
正しくは俺は”本能”だ。
そしてアイツが”理性”。
”カイ”という一人の人間のね」

「……ということは」

「今の俺はアイツが四割で、”俺”が六割さ。
……だからさっきみたいに”アイツ”
が言いたい事を”アイツ”らしく述べる事が出来るし
動きも制限されるという訳。
もっともアイツの方は無意識で
してるみたいだけどね」