ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.59 )
日時: 2015/01/15 02:51
名前: 穂逆 深去 (ID: A6DUXQK.)

「壊されなんか、しません。
私がカイ君を壁の外に引きずり込みます」

ビリーブは強い口調でそう否定した。

「それに、……決めましたから」

「…………」

「カイ君は私が守る、って」


「…………ふーん。まぁ、いいけどサ」

”彼”はつまらなさそうに呟く。

その姿を見て、ビリーブは一つの質問を”彼”にぶつけてみた。



「…どうして、私にこんなに教えてくれるんですか、
”アイツの意志”だからではないですよね?」



その問いに”彼”は、


「………別になんとなくさ。強いていうなら」



自嘲気味に笑い、




「………ー償いーのため、さ」




哀しげに、目を伏せた。



今までの笑みが、口調が嘘だったみたいに。





「………さてと、俺は一旦外に出るよ。
帰る時には”アイツ”に戻ってるから、安心していいヨ」


そう言って”彼”はまた笑い、椅子から立ち上がったが、
彼女はそれでは納得出来ない。


「え、ちょっと待ってくだっ、むぅ!?」

そこで彼女は言葉を止めた。
いや、止めざるを得なかった。





反論しようとした彼女の小さな唇に、”彼”の唇が重なっていた。





「…んんっ、むんん……………っ」

そのまま床に倒され、体を抑えつけられる。


”彼”の舌がビリーブの咥内に入り、彼女の舌に纏わりつくように動く。


一、二分経っただろうか。



「……ぷはっ」

”彼”が口を離した。