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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.67 )
- 日時: 2015/02/03 02:18
- 名前: 穂逆 深去 (ID: 87cF4Aq6)
※ラチ目線
「あぁ…………リズ、相変わらず格好いいなぁ………」
リズと僕は、幼なじみだ。
小さい頃は、二人で沢山遊んだ。
だけど、時間が経つにつれてリズは、
本当の事を言わなくなった。
僕は変わらずリズが大好きなのに。
その気持ちはリズには届かない。
情報屋を始めたのだって、リズのためだった。
情報が随時必要なリズの力になりたかった。
”透視”で他人の心を視る事は、僕にとってとても大変だけど、リズのためだったらいくらでも無理して見せる。
(本当はこんな”紙切れ”なんていらない)
手に持った札束を大切にポケットにしまう。
きっと仕事関係でなければ、僕はもう彼とつながっていられないだろう。
だから僕は仕事を続ける。
美しい彼のために。
「さて、と……そろそろ家に帰ろうか……ん、あれ?」
歩こうとしたが、足に力が入らず倒れる。
目も霞んで、思考が働かなくなる。
どうしよう。
これは、ヤバい。
自分の体がここまで酷いとは。
(……あ、自分消えるかも……)
天界の神だって人間と同じように死ぬ。
霞みゆく景色の中で彼の顔が浮かんだ。
「…………たす、け、て……りず」
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