ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女[参照700突破ありがとうございます] ( No.72 )
日時: 2015/03/09 03:50
名前: 穂逆 深去 (ID: BzoWjzxG)

すいません。めちゃ遅れました………。続きかきます。



「”戸籍上”だけだよ。そんなの」

キボウは笑みを消し、そう言った。

「戸籍上………だけ?」
「そう。戸籍上だけ。
っていうか………キミほとんど何も知らずに、この家に来たんだね」

しかし、馬鹿じゃないノ?と悪態をつく姿は、一縷にそっくりで、血がつながっていないとは到底思えない。

(どういうことなんだ………?)

「ああ、でも。言い方を間違えたかな。
なぜなら”今の俺”は戸籍上にさえ、
”存在していない”のだから」

「……………?」

俺の疑問にキボウは無表情のままこたえる。



「俺の命は、俺が生まれて間もなく
終わったことになっている」



「!?………どういうことですか。
キボウ、いえ、キボウさん」

俺がそう聞き返したとき、
キボウはようやく最初の笑みを戻した。

「……聞きたい?」

「はい」

「………キミは一縷の”友達”なんだよね」

「まぁ………多分」

一縷は認めてくれないが、ここはそういうことにしよう。
俺がそう返事をすると、キボウはゆっくりと俺の後ろに回った。

「……………じゃあさ。俺と一縷のためにーーー」



「ーーーー死んでくれよ」



ドスッと音がした。

お腹が冷たい。

下を見るとーーーー

真っ赤に染まった手が、ナイフをつかんで腹から飛び出していた。