ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女[参照700突破ありがとうございます] ( No.76 )
日時: 2015/03/16 02:07
名前: 穂逆 深去 (ID: BzoWjzxG)

「…俺は修復神なんですよ?
他人を修復するのはもちろんのこと、
自分の傷も修復す事が出来ます。
……というか、むしろこっちの能力の方が強いです」

自分を修復する能力の方が強い。
他人の傷を修復すのを求められている修復神が、
自己の傷を修復す能力の方が強いとは、
なんと皮肉な事だろうか。

「俺で、良かったですね」

「……………」

「俺じゃなかったら、あなた、いえ、
あなたの弟は殺神者になってましたよ」

愛で他人を殺めるモノを、
俺はかつて、もう一人だけ見たことがある。
”それ”が誰で。
”誰”が殺されたのかは
あえて、いわないけれども。


「……俺、帰りますから」

俺が、そう言って仕方なく帰ろうとしたとき、
突然、脈絡もなくキボウは、

笑った。

「……!?」


「……あは♪」



「……”そういうこと”ですかぁ。
だから、”僕”の”破壊”がきかなかったんですねぇ……♪」


狂気。
さっきまでの歪んだ感情とは、また違う狂気をキボウから感じ取った。

まるで、別人のような。
そんな、狂気。

(…これは、”誰”だ?)