ダーク・ファンタジー小説

なな、なんと・・・・ ( No.78 )
日時: 2015/04/03 13:43
名前: 穂逆 深去 (ID: BzoWjzxG)

ならば、尚更止めなければ。

「殺されたのは、俺です。
なぜ生きているかは、後で説明しますが、
それこそ、本末転倒ですよ。
あなたは自分の弟に自分を殺させる気
なんですか?」

俺が静かにそう言うと、キボウは少し落ち着いたようで持っていたナイフを地面に落とした。

「…悪かった。頭に血が上ってしまっていたみたいだ」

「……いえ、大丈夫です。それより、さっきのは……?」

俺がそう聞くと、キボウは苦い顔をして答える。


「ーーあれは、一縷の中にある闇。
いや、一縷の能力”そのもの”だ」


「…………?」
どういう、ことだ?
一縷の能力は分からないが、まず能力が意志を持つなんてこと自体ーーありえない。

「……訳が分からない、ありえない、って顔してるね…まぁ、分かるよ」

キボウは苦笑しながら、そう俺に行った。


「でも、これが事実なんだ。
一縷の能力は一縷一人では抑えきれない程に大きい」

「一縷は………、一体何の神なんですか?」


俺のその質問にキボウは、ゆっくりと口を開く。


そして、それは皮肉な事に。



「”破壊神”」



俺の能力と正反対なものだった。

運命とは、なんてーー残酷なのだろう。


「アイツ…一縷はね、小さい頃
に、その能力を使って」



もし、運命を司る神がいるのならば。

俺はソイツを殺すだろう。

きっと誰よりも残酷に。


無慈悲に。


圧倒的に。


でもそれはーーーー

「俺を含む家族全員を、破壊してしまったんだ」


今より、少し未来-さき-の御伽噺-おはなし-