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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女[参照900突破ありがとうございます] ( No.88 )
- 日時: 2015/04/27 23:31
- 名前: 穂逆 深去 (ID: mk2uRK9M)
すいません、体調を崩してました。
続き書きます。
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会話の途中のことだった。
「……!?」
「……?どうかしたんですか」
会話の途中に突如として車椅子から立ち上がったキボウに、ビリーブは声を掛ける。
しかし彼女はある一点を見つめながら呆然と立ち尽くしたままだ。
「…ごめん、ビリーブちゃん。話の途中で悪いけど………」
キボウのただならぬ覇気に圧倒されて、ビリーブはただコクリと頷いた。
「…一つだけ聞かせて下さい。本当に”どうした”んですか…?」
ビリーブのその質問に対し、キボウは車椅子に乗り直し、ドアノブに手を掛けながら静かに答えた。
「…リズがー私の大切な人がないているんだ」
ただそれだけ言って、彼女は出て行った。
”泣いている”なのか。
”哭いている”なのか。
ビリーブにはよく分からなかったけれど。
ただ彼女の言葉の根底にある、その”思い”だけは理解できたから。
痛いほど分かったから。
彼女は黙ってキボウを見送った。
(まだまだ聞きたいことは、山ほどあるけど………でも)
今は、黙って見送ろう。
彼女が言った理由。
それはきっと、自分があの、銀髪の少年カイに対しての
”思い”と一緒なのだから。
愛、なのだろうから。
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