ダーク・ファンタジー小説

Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女[参照900突破ありがとうございます] ( No.91 )
日時: 2015/04/29 23:52
名前: 穂逆 深去 (ID: dY5SyZjq)

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ガンガンと頭に鈍い音が鳴り続ける。
なのに、思考は気持ち悪いほど澄んでいて。

「…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、…なんで、なんで」

なんで死なないんだ。

何故こんな自分がのうのうと生きていて、
あの人達が死ななければならない。

こんな俺を、俺は許してはいけない。
だから、死ぬしか、ないのに。

「がぁっっ!!クソぉ………」

死にたい、死にたい死にたい死にたい。
どうしようもないくらいの自殺願望が俺を支配する。
その時だった。

ドスッ
「あ……………?」
ギュッ

誰かが全身でぶつかってきて、俺を抱きしめていた。

誰なのだろうと思った。
俺にそんなことをする人はいないはずなのに。

もう、いないはずなのに。

だから、振り返って驚いた。

「ノゾミ……………?」

一瞬驚き、そして理解する。
これは、夢なのだと。
彼女は死んだのだから。
俺が、殺して、しまったのだかーー

「…う、うっ、うっ、わあああ……ごめんな、ごめんな……」

涙が、止まらない。
ちゃんといいたいのに。
せめて、夢の中でだけでも。

彼女に、あやまりたいのに。

「リズ…………」

彼女が、悲しげな表情で俺を見る。
俺はその顔に笑っていて欲しかったのに。

ああ、もういっそ


ーー”すべてを忘れたい”ーー


「キミはなんでも背負い過ぎなんだ。……思い出して欲しいなんて、少しでも思った”私”が悪かった」

「……”眠い”」

ぐちゃぐちゃと頭の中にある記憶、思いが、ごちゃまぜになる。
×××の声が聞こえなくなる。

「キミが壊れてしまうくらいなら、すべて忘れたままでいい。…ただ一つだけ」

やけに、明瞭に聞こえたその声は、何か懐かしい気がした。
誰の声だったかは、忘れてしまったけど。


「キミがすべて忘れてしまっていても”私”はーーー」



「ーーーキミを愛しているよ」