ダーク・ファンタジー小説
- Re: 破壊ノ少年ト修復ノ少女 ( No.94 )
- 日時: 2015/05/10 00:56
- 名前: 穂逆 深去 (ID: S/CDITC2)
参照1000突破ありがとう!!
結局、別章dからいきます。
別章d[偽りの始まり]
小さい頃の夢を見た。
俺の父と、母の、夢。
全部、夢なら良かったのに。
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「ラーチ!!またあしたっ」
「ばいばい、リズ!!またあした」
この頃の俺は毎日ラチと遊んでいた。
当時六歳、神の子供達がいく学校で初めてできた友だちがラチだった。
毎日が楽しくて楽しくて。
人を疑うことなんて、知らなかった。
そんな時代。
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「お母さん!!今日はねラチと鬼ごっこをして遊んだんだ、それでね…」
「それは楽しかったわね、お母さん、リズの話聞くの毎日楽しみにしてるから、明日も聞かせて頂戴ね」
「…分かった、またあした来るね!」
母は布で囲われた個室に一人、病気のため隔離されて暮らしていた。
だから、毎日母の個室の前に行き、今日あった出来事を母に話すのがその頃の俺の日課だった。
いつしか父に聞いてみたことがある。
「…ねぇ、僕とお母さんはいつになったら一緒に暮らせるの?僕、お母さんと一緒に暮らしたい」
「…うーん、そうだなぁ。リズがいい子にしてて、母さんの病気が治ったら一緒に暮らそうな」
「分かった!!僕、いい子にしてるよ!!」
「…リズは偉いなぁ…」
そういって父は俺の頭を撫でた。
全能神であり忙しい父だったが、俺をとても大切にしてくれて、とても優しい父だった。
何でも出来て、優しい父が俺は大好きだった。
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「「じゅぎょうさんかん?」」
「そう、授業参観。みなさんのお父さんお母さんに見に来てもらうの。授業のテーマは”僕、私のお父さん、お母さん”よ。来週の授業参観までに、どんなことをいうか、考えてきてね」
そう先生が言ったが、俺の頭は既に父と母についてのことでいっぱいだった。
考えるまでもない。すぐ言える。
来週の授業参観がとても楽しみだった。