ダーク・ファンタジー小説

Re: 自殺サイト『ゲートキーパー』 ( No.16 )
日時: 2012/06/23 18:33
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: jADmD8Xa)
参照: ブログしたいなぁ。

No.7

「おれが漆さんにパシられて、コンビニでアイス買って帰ろうとしたら、こいつとぶつかって、メロンパンとあんパンとおにぎり二個とポテトチップスと十円チョコ四個とサイダーとお茶が鞄から落ちたんですよ」

 万引き事件のことを一通り話し終えた黎は、漆と上弓の二人の表情を見た。
 漆は何かを真剣に考えている様子だが、上弓は黎の観察力に感心していた。

「どうして、メロンパンとあんパンと… 何かだったの覚えてんの?」

 「そんな状況じゃないでしょ?」と問う上弓に、「まあそうでしたけど… 」と曖昧に返す。

「ぱっと見れば分かりますよ」
 黎にとって本当のことを言っただけだが、上弓は舌を巻いている。

「あぁ、因みにおにぎりは、梅干しと鮭でしたよ」
「そんなことまで覚えてんのかよ!」

 上弓が本気で驚いている。

「その観察力と記憶力、オレにも分けてほしいね!」
「分けれませんけど、もし分けられたとしても分けてあげませんよ!」

 笑顔で言ったあと、黎は顔を引き締めて漆を見た。

「で、どうします? 月影冬夜」

 漆は腕組みをして考える素振りを見せた。

「そうだな… 。まぁ、黎は月影冬夜と同じ学校だから、様子を見ててくれ」
「了解」
「玄は一時待機」
「えー、つまんなーい」
 上弓が不服の声を上げたが、漆は何も言わなかった。