ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

No.8

「 …と言うわけで、どうすっかなぁ——」
　黎は学校の廊下を歩きながら独り言を呟いた。

「多分、虐められてんだよなぁ… 」
　少し寂しそうな表情をして、黎が呟く。

　コンビニにいた二人の生徒。
　そして、万引きをした月影冬夜。

　おそらく、月影冬夜はその二人の生徒に虐められている。
　何故なら、まず月影冬夜とその二人の生徒は同じコンビニにいた。しかし、あのコンビニは学校のすぐ近くでもないし、聖音高校の生徒が立ち寄る可能性は低い。にも関わらず、月影冬夜とその二人の生徒は居合わせた。それは偶然ではなく、仕組まれたことだろう。おそらく、あの二人の生徒に。
　仕組まれたと思うのも、理由がある。多分、仕組んだのはあの二人。月影冬夜の万引きが見つかってコンビニ店員に連れていかれたときに笑っていたのを見て、ピンときた。普通、たとえ仲の良い友達でなくても、万引きをしているのを見て笑う人はいないだろう。

「あー、もう、どーすっかなぁ」
　がしがしと頭を掻いて、それから黎はキッと一点を見据えた。
　その先にあるのは、二年一組の教室。

「まー、聞き込み調査、行きますか」

　黎はその教室に向かって歩き出した。