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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 自殺サイト『ゲートキーパー』 ( No.128 )
- 日時: 2012/08/04 19:38
- 名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: Km711df.)
- 参照: 短いのは話が思い付かなかったからじゃないんだからねっ!?
No.9
ーーー
やけに静かで。
暗い闇で。
そこに居たのは、顔を、両手を、全身を、真っ赤に染めた少年。
そして、その少年の足元に転がっていた二つの身体。
真っ赤に染まった身体。
少年はこちらを見て、呆然としていた。
その表情は何も表していなくて。
その瞳は、何も映していなくて。
ーーー
その時、ドアをノックする音が聞こえた。
「——誰だ?」
ぽつりと呟いて、漆はドアを開けた。
すると、そこには一人の女性が立っていた。
少しだけ茶色に染めた髪は、肩より少し上で切り揃えられている。顔は薄く化粧をしているようだ。真っ直ぐな黒色の瞳がじっとこちらを見ている。
パステルカラーのピンクの涼しげな服に、短いズボンを穿いている。スラリとした脚。赤色のパンプス。右腕にはピンクと白の丸い石で作られたブレスレット。
「……茉莉〔まり〕、どうし——」
その女性は漆の言葉を遮って言った。
「玄、来てますか!?」
慌てたような彼女に、漆は少し驚きながら「今、出掛けてるけど」と返した。
すると、女性は目を伏せて俯いた。
「…おい、茉莉、どうしたんだ?」
漆が問うと、彼女は少し考えたあとに言った。
「ちょっと、色々あって——」
取り敢えず、漆は彼女を部屋を招き入れた。
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