PR
ダーク・ファンタジー小説
- Re: 自殺サイト『ゲートキーパー』 ( No.143 )
- 日時: 2012/08/08 18:26
- 名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: vVbLZcrS)
- 参照: 今日はおばあちゃん家に泊まって、明日自宅に帰ります。
No.13
「漆さん、黒樹小枝について調べ終わりましたよー」
そう言うなり、上弓はソファにだらりと横になる。
事務椅子に座ってコーヒーを飲んでいた漆は、カップを事務机に置き、ソファの方へ移動した。
「どうだった?」
漆の質問に、眠そうな表情をした上弓は答えた。
「黒樹小枝の両親がいない理由ですけど」
「ほぉ」
「黒樹小枝が幼い頃に離婚したんですって」
「…へぇ」
「で、黒樹小枝は母親に引き取られたそうです」
「ふん」
「ついでにその母親は離婚したあとにすぐ死んだっぽいです」
「『死んだっぽい』って何だ?」
上弓の曖昧な言い方に、漆は半眼になって訊いた。
「何か、調べても出てこないんすよねー」
「…そうなのか?」
「はい、きっと何か裏がありますねー」
そして、上弓は「そう言えば…」と付け足した。
「その母親の父親——黒樹小枝から見るとお祖父さんが警察なんすよ。怪しいですね」
上弓は大きく欠伸をした。
「もう寝て良いですか?」
「………良いけど」
すると、上弓はさっさと部屋から出ていき、自分の部屋へと戻っていった。
「そういや、黎はまだ起きてないのか?」
ぽつりと呟いて時計を見る。
今は午前九時頃。
「まぁ、あいつは朝に弱いしなー、まだ寝てるんだろうなー」と独り言を呟き、今回の自殺をどうやって阻止すべきかを考え始めた。
PR