ダーク・ファンタジー小説

Re: 魔法少女の世界 ( No.3 )
日時: 2015/06/19 20:57
名前: 日瑠音 (ID: DkN/A4kL)

アパートを出た先にある、緩やかな上り坂を自転車で上る。
住宅街を過ぎれば、ちょっとした森があるのだ。
地図からすると、どうやら学園はそこにあるらしい。
足は疲れるが、風が気持ちいい。
レアノは、最近流行りのCMソングを口ずさみながら、ペダルをこいでいた。


地図どうりの場所までやってきたが、それどころか建物すら無い。
「意味分からん・・・」
この手紙、何だったんだと、手元にある手紙を服のポケットにつっこんだ。
が、何も変わるはずもない。
「無駄足だったかな・・・」
と、ため息をついた。


帰りにスーパーでアイスでも買おうと自転車に引き返した矢先。
「・・・ん?」
なんと、家を出た時には何も入れていなかった筈の自転車のかごのなかに、さっきと同様の真っ白な手紙があった。
持ってきていた手紙の方は、今レアノの服のポケットの中にある。
「って事は!?」
すぐに手紙を見た。




ヴィジャン マジック



・・・・。
今回はこの一行だけだった。
レアノは少し考え、ひらめいた。

「ヴィジャン マジック!」

「なんて、言ったら何か起こるとかね・・・」
独り言痛いなあ・・・なんて笑ってみた。


キラッ


突如、森が眩い光を放ち、レアノの目を眩ませた。
「ま、眩し・・・」

「・・・って、え??」
目を開ければ、ここは異世界。
昔のヨーロッパの様な、レンガの街。
空を飛ぶ人、杖をもち、炎や氷を出す人。
レアノから数百メートル程前にある、美しい宮殿。
「ようこそ、ホーズ魔法学園へ」

レアノの前に、一人の青年が立っていた。
ふわっとした銀髪に優しそうな赤目、カッターシャツとズボンの上には膝までのフード付きコートを着ている。
「ザスト・ホーズです」

「あなたを歓迎しますよ、レアノ」
ザスト・ホーズと名のる青年は、にっこりと微笑んだ。