ダーク・ファンタジー小説

Re: 魔法少女の世界 ( No.6 )
日時: 2015/08/08 14:57
名前: 日瑠音 (ID: vlinVEaO)

何がなんだか、ワケ分からん。
レアノは、ぽかーんと、青年を見ることしかできなかった。
「ぜひ学園を案内したいのですが、私はまだやることがありましてね」

「なので、案内は他の先生に頼んでおきました」
すると、ザスト・ホーズ(?)の横に、ぶわっと小さな竜巻の様な風が吹いた。
「こんにちは、レアノ」
風がやむと、一人の美青年が姿を現した。
澄んだ空の色のサラサラの髪とややつっている目に、高い鼻、綺麗な肌。
ラインの入った白いシャツにネクタイとジャケット、お揃いのズボンに革靴というスタイルだ。



「バルシェ・ドーレです」
にっこりと、笑顔を見せる。
「さあ、立って。さっそく行こうか」
レアノは何も言えぬまま、宮殿の中に入ってしまった。

「あ、あの、ドーレ先生・・・?」
「バルシェでいいよ。」
細身の引き締まった身体と笑顔は、まさに王子様だ。
「バルシェ先生、どこへ行くんですか・・・?」
部屋の中はシャンデリアや彫刻などがあり、貴族のパーティー会場のようだ。


「ホーズ魔法学園だよ」
「簡単に言えば魔法を学ぶ学校だ。学校と言っても学年は二つしかないけど。
生徒数はたったの97名、そのくせ学園自体はすごくでかい」
淡々と言葉を並べられると、状況を整理するので精一杯だ。
すると、バルシェは何かを思い出したような顔をした。


「あぁ、その前に君に説明しなくてはならないな」

「レアノ、まず言っておく。君は魔女だ。」


「え・・・?」
いつのまにか王子様スマイルが消え、真顔になっていた。
「驚くのは当然だろうな」

 君は天才だ。魔法使いはもともと頭が良い。人間の学んでいること
 など、簡単に分かる。
 だが君は、魔法使いの中でも、特に頭の良さが違うんだ。
 魔力もすごい量だ。

 今ではまだ抑えられているが、幼い時の君の魔力の量は本当に
 凄かった。
 だから人間の世界に転送されたのだ。


「え?なんで・・・」
「人間の世界に行くと、自然と魔力の量が減っていくんだ」
バルシェはケラケラと笑いながら言う。
「13年も人間界にいるなんて凄いなあ」
レアノには、笑った意味がよく分からなかった。
「凄いんですか?」
「そりゃな!普通2,3年いれれば、まあ凄いな」


レアノは自分でも驚いた。
私の魔力(?)、そんなにあるんだ・・・。


「さあ、入学手続きだ!あとはザスト様に教えてもらえ」
レアノは、少し状況が理解できはじめていた。
「まってください!私、中学校に通ってるんです!」
「ああ、時間なら気にするな。あっちでの1日は、こっちの1年だから」
王子様スマイル、復活。
「じゃ、手続き終わったから。がんばれよー」


いつにまに、手続きを終わらせてしまったようだ。
こうしてレアノは、異世界の魔法学校へ通うことになってしまった。


「あ、そうだ。これ」
そう言うとバルシェは、手を前に出し、言葉を唱えた。
「ハンド リーヴル」
手の上にパッと本が現れると、バルシェはある1ページに手をかざした。
「アウト リーヴル」
綺麗なパステルピンクのマフラーが出てくると、バルシェはそれをふわっとレアノに巻き付けた。
「僕の魔法はこんな事もできるんだ。それと、この世界では今11月なんだよ。
夜は特に冷えるし、それやるから」
キラキラと眩しい笑顔は、なんだかマフラーの中を温めるようだった。


〜あとがき〜
参照100突破ありがとうございます!
嬉しすぎて、いつもの倍くらい更新してしまいました。
本当は参照100突破記念の番外編をしたかったんですが、主要人物がいまだほぼ出ていないという悲しい事実が・・・。
なので、皆がでてきてから番外編をやろうかなと思います。
では、これからもよろしくお願いします!