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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.16 )
- 日時: 2016/02/14 00:08
- 名前: riyal (ID: bUOIFFcu)
第6話 利害の一致
『あっははは!なんて無様な姿なの?金持ちさん!?』
「待て…命だけは…命だけは…!」
『命が何だって?』
「命だけは助けてくれ…!」
『は?命を助ける殺人鬼が何処にいるって話さ!』
なんて、いつもの様に散々嗤って金持ちを殺そうとした時だ。
「ちょっといいですか?」
ハルレが現れた。
「さすがお金持ち。お宝たっくさんですね」
「な、何をする気だ」
「盗るんです」
「と、盗ってもいいから、こいつを止めてくれ…!」
これはちょっとまずいかな、と思ったんだけど、なんとハルレはとっても賢かった。
ちらりとあたしの方を見てから、言葉を続ける。
「いいえ、その人を止めるより催促した方が私には有利です」
「…は?」
「だって、その人を止めてから私が捕らえられるの嫌ですから」
「そ、そんなつもりはっ」
「殺っちゃってください、殺し屋さん」
「待て、やめてくれ…!」
「黙りやがってください。…素直に殺られろ」
その時、ハルレに協力しなきゃ不利だなって、思ったんだ。
すでに腰の引けまくってる金持ち、あたしの悠然たる態度、などの状況から、あたしなら絶対に殺れると確信してたんだろう。つくづく頭がいいハルレだった。
『じゃ、お言葉に甘えて』
…言うまでもない。
そう、勿論殺した。
殺し終えたあと、ちょっと思った。
ハルレは、捕らえられることなくお宝を盗みたい。
あたしは、綺麗に美しく、金持ちを殺したい。
ならば。
協力し合えばいいんじゃない?
瞬間的にそんなことを思ったあたしは、もう帰ろうとしているハルレに声をかけたんだった。
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