ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

第7話 疲れたなぁ

『…はぁ』
「どうしました？」
『ううん、ちょっと疲れたなぁって』

いやまぁ、ハルレがいなかったら、あたしどうなってたんだろって考えたら溜め息出ちゃったんだけどね。

………。
ハルレはなんというか、すごく賢いと思う。

お宝を盗んでくる時も、いつも計画的で失敗したことがない。

盗む都合であたしに協力を頼む時も、あたしが協力するような話し方っていうか、態度でやってるんだと思う。いやだって協力する気しか起こらないし。

そもそもあの時あたしに協力したことこそ、ハルレが賢いことを証明するに充分じゃん。

例えばあたしを捕まえて、心置きなく盗んで帰るって方法もあったんだろうけど、それよりあたしに今協力すれば、自分に都合がいいって分かるところが賢いと思う。

散々ハルレのこと賢い賢い言ってるけど、じゃあ当のあたしは如何なのかってったら…まぁ…

賢い、とは思う。

……………。
やめよう、思考したくない。
だって…それは、賢いのは、あたしの意思じゃないから。
いつかハルレに話す日が来るかな。
その［いつか］まで、取っとこう。

「ルキちゃん？」
『え？』
「どうしました？なんかぼーっとして…」
『え、あぁ、ごめん』
「ね、熱でもあるんじゃ」
『無い無い、絶対』

ダメだな、ハルレに心配かけたら。
ハルレ、多分明日も仕事だったよね。明日のは、ハルレが自分でやろうと思ったとかじゃなくて正式に依頼が来たやつ。

寝よう。
それが一番。

いつだって、寝ればなんとかなってたから。
寝れば、一晩経てば、不都合なんて消えて、自由だったから。

あぁ、

疲れたなぁ。