ダーク・ファンタジー小説

Re: 恐怖のゲームを始めましょう【参加者募集】 ( No.1 )
日時: 2015/03/28 12:08
名前: みーこ (ID: wJ5a6rJS)
参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?

カーテンの隙間から光が差し込む。

小鳥のさえずりが、うるさく響く_______

今日も、新しい1日がやってきた。

いつも通りの平凡な生活が始まる。

特に、することもなく部屋の真ん中で、テレビを見たり、音楽を聴いたり……

思い体を、ベットから起こし、カーテンを開ける。

窓を開け、心地良い風を部屋に招き入れる。

さぁ、新しい1日の始まりだ。

窓を開けた後は、またベットに戻り、

ヘッドホンをして、お気に入りの音楽を聴く。





_______いや、始まらなかった。

1つのアナウンスが、人間の人生を狂わして行く。


『恐怖のゲームを始めましょう!』


そんな、アナウンスが家中に響いた。
その声は、楽しそうで、ワクワクしているような……

「恐怖のゲーム!?」

中藤凛花は、ベットから起き上がった。

『今から、恐怖のゲームを開始します。ゲームの内容は、ただ鬼から逃げるだけです。もし、捕まり5日いないに誰も助けに来なければ檻が潰され死にます。では、スタートです!』

「何!?ふざけてるの?」

凛花は、疑った。
こんな、非日常的な事、信じれるわけがない。
しかし、その考えを打ち壊す、『キャー』という甲高い悲鳴が聞こえた。
この甲高い声は、間違いなく妹、涼香だった。
普段から、聞き慣れた声は、瞬時に涼香のものと、分かった。

部屋の扉を少し開け、外の様子を伺った凛花の目に信じがたいものが飛び込んできた。

「嘘・・・」

赤鬼が、金棒で涼香を殴っていた。
殴られた涼香は、ピクリとも動いていない。
しばらく、殴り続け、そのあとは袋に詰め込み担いだ。


凛花は、部屋の扉を閉め、押し入れに慌てて隠れた。

ガタガタ・・・
扉が、揺れる音がする。

涼香はどうなったのだろう・・・殺された!?
あれ、殺されたの?
ブンブン、と首を振り頭の中の嫌な考えを打ち消した。

部屋の扉が壊されかけている。
鍵も、もうすぐ外れてしまうのではないだろうか……

ガタガタ・・・

もうだめだ・・・
扉が、開いてしまう。




「シッ!」

いきなり誰かが、耳元で声を出した。
隣から、荒い呼吸が聞こえてくる。

自分以外の・・・

背筋が凍るような気がした。






「俺だよ!颯斗ハヤトだよ!」

声変わりのせいか、少し大人っぽく感じる。
昔は、高かった声が少しガラガラ声になって低くなっている。
昔の方が、可愛かったのに……


「田村颯斗?」

田村颯斗は、幼馴染だ。

「そうだよ。今、アナウンスあったよな?《恐怖のゲーム》ってなんだよ!」

「なんで、あんたがここにいるわけ?」

颯斗の質問に答えるよりも先に、凛花の方が質問を返した。

「ん?今日、遊びに来ただろ?それで、帰ろうと思ったときに・・・おい、妹は?てか、俺が質問してるんですけど」

「涼香は、捕まった。鬼に。」

「5日以内に助けないと、死ぬんだぞ!はやく____」

バン、と音がして部屋の扉が壊された。

「ヒッ!」

凛花が短い悲鳴を上げた。
颯斗は、ため息をつき、
「俺が、鬼を引き付ける。その間に逃げろ!」
そう指示をした。
「颯斗は?」
「俺は、多分死ぬ。お前は逃げ切れ!まだ、仲間はいる!」
「そんなの嫌だ!2人で逃げようよ!」
凛花の目に涙が浮かんだ。
「2人で逃げるのにはリスクがある。見つかりやすい!だから・・・」
一瞬、颯斗の顔が曇った。
「颯斗?」
「俺は、大丈夫。さぁ、今のうちにそこの窓から!」
颯斗は、押入れの扉を開け凛花を押し出した。

「颯斗も逃げて。」

ピピピピ・・・

「何の音?」
凛花は、颯斗に問いかけた。
「爆弾だ!早く!」

凛花は、窓から外に飛び出した。
屋根を滑り降りて行くのは、スリル満点!
そして、道路に出た。

その瞬間!

ドカン!

目の前が、白く光った。
それと、同時に油のような匂いが、風に乗って凛花の元まで運ばれてきた。