ダーク・ファンタジー小説

凛花と恐怖のゲーム!〜人生ノ崩壊〜参照2000突破感謝! ( No.119 )
日時: 2015/03/02 20:59
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

レンの背後で、ミオウが笑う。
レンは、何も知らずに空中で捜索を続ける。
真面目すぎるんだよ……鈍感なだけかもしれないけれど。

藍色の空の端から端まで見落とさないよう、しっかり探す。


しかし、ドラゴンはいない。いるわけがない。

汗がレンの額でキラキラと光る。
それくらい、必死なんだ・・・

「守らなければならない」、それでいっぱいなんだ。

ミオウの目頭が、かぁと熱くなった。


いつまでたっても、ドラゴンは見つからない。
真っ白な雲がプカプカと空に浮かんでいるだけ。

ドラゴンかと思ったら、カラスやタカだったなんて、


・・・・もう100回はあったと思う。

それでも、レンの集中力は切れなかった。
目は希望に満ちてキラキラ光っていた。
・・・楽しんでるの?

「姫様、絶対見つけ出します。」

レンは、私に気を配ってくれた.


レンの声は、ミオウの中に響いた。
もう、そんな声を聴きたくなかった、言わせたくなかった。

ミオウの後ろにいるライトに指示を与え空に飛ばした。


これで・・・『本当』になる。

ライトがいなくなったのは 本当 になる。



レンの目のきらめきは、増していた。




時間が経つごとにきらめきを増す。



ミオウは辛かった。
奥歯がギリギリと音を立てる。


自分が情けない・・・


レンを元気にしたかっただけなのに。
こんなの、『望んでた』のと違う。
違うよ・・・


耐えれないよ。
なんて言われてもいい、もう、本当のことを言おう。
心臓がバクバクと音を立てる。

「レンごめんなさい。」
声が震える。



「いいよ。ライトのことだろ?知ってる。」

知ってたの?なんで・・・なのに探したの?

ミオウは震える唇を無理やり尖らして音を鳴らした。


「ヒュ〜ルルルル」


雲が動く。


雲からドラゴンが飛び出した。


帰ってきた。












レン、ごめんなさい。