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ダーク・ファンタジー小説
- Re: ★凛花と恐怖のゲーム!〜人生ノ崩壊〜★ ( No.125 )
- 日時: 2015/02/13 17:09
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: UP46uWUY)
「紅!」
気が付いたときは、遅かった。
もう、紅の姿はなかった。
一体、どこへ行ったのか。
颯斗は、そのまま飛行し続ける。
「紅・・・」
「ほっとけ。」
颯斗は、助けに行く気はないようで…
「俺、疲れたから地上戻る」
真っ逆さまに落ちていった。
「ギャァァァアァ」
凛花の悲鳴が木霊する。
来夏は、ぎゅっと目をつむっている。
風が颯斗にしがみつく凛花と来夏を引きはがそうとしている。
「ウガガガガガガガガガガガガガガガガガ」
メキメキと体が剥がれていく。
「おちぃるぅ!」
「ヒッ!」
「落ちんなよ!もうすぐだから!」
気が付くと目の前には、道路が迫っていた。
ぶつかる!
------そう、思った。
でも、ぶつからなかった。
強張っていた顔が緩む。
ゆらりと体が揺れた。
倒れる
空が流れていくように見える。
雲が動いていく時間が早送りになったよう。
世界が丸くなって・・・スノードームのなかにいるみたい。
「おい、大丈夫か?」
少し馬鹿にしたような口調で颯斗は凛花に問いかけた。
あっ、魂何処かへ行きかけてた。
来夏も、ふっと笑った。
「だっ・・・大丈夫。」
ひきつった笑顔を颯斗に向ける。
「・・・そっか。ならよかった」
颯斗は、白い歯を見せて笑った。
「紅・・・」
凛花は、そう、一言呟いた。
来夏は、ん?と少し反応しただけだったが、
颯斗の手がピクリッと動くのが凛花には見えた。
(意識してるんだ・・)
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