ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム!!!〜人生ノ崩壊〜 ●(感想下さい) ( No.139 )
日時: 2015/03/26 19:54
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

体を抜かないと……

コンクリートは、ガッチリと紅の体を掴んでいる。

「あっ……ヤベッ」
抜けれない……

痛タタ……

あんな事せずに、普通に滑り降りとけばよかった……
……ってこと考えてないで、抜ける方法考えないと。

出れない……服が引っかかってる……




「誰か助けぇろぅ!!」





紅は、涙目になりながらバタバタ暴れる。

でも、暴れるほど服が引っかかって行くことに紅は、気が付いていなかった。




「…………俺、何時間ここにいるんだ?」

空は、日が傾き朱色に染まっている。

脚も、擦りむきチクチクと痛む。
「痛ってェ」

傷口に、砂が入り込む。

「いうぐぐぅ」

刀をコンクリに差し込み、なんとか体を抜こうとするが、思うようにはいかなかった。これは、『掘り出さないといけない』系?

誰だよっ!俺の足を掴んでるのは!……………コンクリだけど!!



「誰かぁ!!」

紅の、叫びは青空に吸い込まれて行った。

「俺の叫び声を……青空が持って行った……」

紅……詩人なのか!?
なんだよ、このたとえ。







「腹減ったなぁ。なんか食いもんないか?」

いつもの、暗い緑。
明るく振舞っているのは、偽りの顔。
本当の俺は、全く面白くない人間だ。
いつからだっけなぁ……
こんな自分になってしまったのは。
俺だって、こんなつもりねぇのによぉ〜。


トウジ

一向に、出口のようなものは見つからない。
さっきの、蜃気楼のようなもののせいで、余計な体力を使ってしまい、歩くのもやっとになっていた。

「俺……どうなるんだろう。」

生きて帰れるだろうか。
みんなに会えるだろうか。

心が折れそうになってくる。
でも、__________出口を探す。

「後ろ向きになんかならない。生きて帰るんだ……」

弱い自分を捨てる。
そして、強くなるんだ。

強くなって、仲間たちと再会を果たすんだ。
悲しみを分かち合って……嬉しいことを分かち合って……






やりたい事は、たくさんある。
しかし、それを果たすためには『生きて帰らなければならない』。
生きて帰らなければ、何もできない!
未来の扉を開くために、歩き続けるんだ。



飛行中___

「颯斗!」

いきなり、凛花が叫んだ。
今まで、築いてきた「平静」という高い、高い壁がガラガラと音を立てて、崩れていった。

「んあ?」

颯斗は、面倒くさそうに返事をした。

「あそこに…人影がある。」
凛花の能力で見つけた。
凛花の能力は、遠くを見ることができる。
千里眼ってやつ?
来夏も、人影を探そうと冬華に変化して真面目に下を眺めた。

しかし、人影などどこにもなく、ただ深い森林が広がるだけだった。

凛花は、それでも真剣に下を眺めていた。

「凛花…どこにもいないわよ?ネズミかなんかの見間違い…」

来夏は、馬鹿にしたような口調で話す。
でも、凛花は諦めなかった。
何処かに人影があると信じて…

颯斗は、何も喋らず、すべて凛花達に任せていた。


2人は、気づいてないと思うけれど、これは、『信用されてる』ってことなんだよな。




いきなり、颯斗は急降下した。

「颯斗!?」

「その人影、確かめに行こうぜ。何もしないより、何かすることを見つけて、真剣に取り組むことが大事だからな!だから、行くぞ。」

「でもっ!なるべく無駄を省いた方がよくないかしら?」

「凛花を俺は信じる!俺、凛花の千里眼に賭けてみる。」

もう、それ以上来夏は何も言わなかった。
言い返せなかった______

だって___________________




















__________________こいつらの方が、正しいから。