ダーク・ファンタジー小説
- 凛花と恐怖のゲーム!〜人生ノ崩壊〜 ●(感想下さい) ( No.148 )
- 日時: 2015/03/08 10:45
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6837
↑目次の作り方
説明が下手なので、コチラを!
……………………………………
って、わけわかんないことブっコイてないで、トウジを早く助けなきゃ!
命の砂時計は、砂をサラサラ落として行く。
あゝ、もうほとんど残っていない。
弾丸は、少しもブレずにトウジへ真っ直ぐ向かう。
軌道は、ずっと真っ直ぐだ.
少しでいいから、ブレてくれないかな?
トウジは、背後からの弾丸の接近に気がついていなかった。
何も、知らないのか、顔を下に向け、歩みを進めて行く。
あの弾丸が、トウジを傷つける前に、トウジを逃がさないと!
でも、どうすれば___________
やれる事を、やってみよう。
「トウジ!」
必死に叫んだ。
お願い……気づいて。
コッチを見て!
避けて!逃げて!
お願いだからぁ!
声が枯れそうなくらい叫ぶけれど……
トウジには聞こえない。
まるで、防音の世界にいるかのよう。
神様!
お願いだから、トウジを助けて!
______私の、願いを『意地悪な神様』は聞いてはくれなかった。_____
ズブシュッ………
細い線が、トウジの体を貫いた。
一瞬の出来事に、何が起こったのか、分からなかった.
ぐらり、とトウジの体が揺れる。
「トウジ!」
なんで!
トウジ!
死なないで!
赤黒い液体が、トウジの服を染めて行く。
一瞬、チラリと、凛花を見た気がした。
いや、…………多分気のせいだと思うが。
やがて、その液体はトウジの服を真っ赤に染めた。
元から、赤い服だったかのように………
早く、駆けつけないと!
颯斗の毛に足を取られながらも、必死に前へ進んだ.
そして、飛び降りた。
着地に失敗して、こけてしまった。
でも、痛さで泣いている時間はない。
__________________________てか、そんな歳じゃない!
一刻も、早く………
________________ 助けないと。
颯斗は、疲れて体が動かない。
動かそうとしても、体が言うことを聞かなかった。
羽までもが、硬く、石像のようになってしまっていた。
________________そして.いつの間にか、違う世界に居た.
「はや…颯斗!先に行くよ!」
その声で、また、元の世界に連れ戻された。
ああ。
颯斗は、頭を擡げ(もたげ)、頷いた。
俺は、眠っていたのか……
視界の中から、凛花が遠ざかって行くのが見えた。
だんだん、凛花が歪んで行く。
また、夢の世界へ引き摺り込まれて行った。
また、話の続きが、始まるのか……
____そして、夢から覚めると、視界のどこにも凛花はいなかった。
ただ、地面が永遠と続いているだけ……
____________________
「トウジ!」
「ふぐっ…………」
トウジ?
トウジは、倒れかけた体を脚で支え、また立て直した。
体を支える足に、負担がかかっていることに気がつかず__
________________気がついていたかもしれない。
動くたびに、口から血が溢れてくる。
体が半分くらい起き上がった時、口の端をキュッと吊り上げた。
三日月の形になった青紫の唇は、少し不気味に感じた。
笑った………?
助けようと、走るために動いていた足は、いきなり停止した。
「俺は、負けない!セイの分も生きる。
………俺が、負けたらセイが悲しむ。」
トウジ………
「たとえ、俺が死んだって世界という広い世界は変わらないかもしれない。いや、変わらねぇだろう。でも、生きる価値はあると思う。人間、生きてりゃいい事あるんだ。まぁ、この俺の命で世界が救われるのであれば、こんなちっぽけな命、くれてやる!ああ、くれてやるよ!こんな命、欲しけりゃくれてやるっ______ゲホッ」
トウジは、紅い液体を口から吐き出した。
その液体は、ドロ〜と地面に広がっていく。
タイルのスキマを、液体はどくどく流れていく。
草むらに、なぜ、タイルがあるのだろう?
ここは、昔建物が建っていたんだ。
でも、ずっとずっと、昔の話だと思う。
その、床の部分が残っていたのか。
液体は、止まることなく、ずっと、ずっと広がり続けた。
その数秒後______
誰も予想していなかった。いや、していた。
けれども…………そして、
地面に、倒れた。
スローモーションのように、ゆっくりと。
倒れる時、人間が倒れるようには、見えなかった。
操り人形の、糸が切れたように見えた。
「ゲホッ……」
苦しそうな咳をして、赤黒い血を口から吐き出した。
口の中は、赤く変色し、歯まで赤くなっている.
「トウジ!」
凛花の叫びは、もう、トウジには届かなかった。
いや、届いていたのかもしれない。
しかし、その答えを本人から聴くことは、もうできなかった……
助けることは、できたかもしれないのに……
私は、見殺しにしたの?……トウジを。
!いや、まだ動いてる。
急いで、手当したら助かるかもしれない。
「あゝ、まだ生きてたのか。しぶとい奴.頂くよ。その命。その方が、このゲームは面白くなるからなぁ。」
ガイコツは、笑った。
笑うたびに、骨がぶつかり、カコカコと音を立てる。
この音、嫌い……
カチャリと音を立てたピストルは、トウジを殺す気満々だ。
「どうせ、その命を奪ったくらいで人口、約70億を超えた世界はほとんど変わりませんよ。」
ハハと、支配人は笑う。
その時、凛花が叫んだ。
(支配人を止めないと……トウジを助けたい!
でも、今飛びかかることはできない。ならば、『言葉の力』!)
「そうだよ!人は、地球からしたらアリンコだよ!
そのアリンコ1匹が大地から消えたって他の動物は、生きていける。
全くと言っていいほど、影響はないよ。」
「だから?」
支配人は、笑った。
「でも、そのアリンコを見てくれてる人は居る。
たった1人かもしれない。
それでも、『居る』ということに変わりはないんだ。」
「ハァア?」
支配人は、トウジに向けていたピストルを凛花へ向けた。
トウジは、もう瀕死の状態。
このまま、放っておけば間違いなく………死ぬ。
凛花は叫び続ける。
殺されるかもしれないけれど…
それでも、言わなくちゃ!
「私は、その見てくれてる人も傷つけたくない!
独りぼっちの人間なんていないよ?」
「夢物語、ブっこいてんじゃないですよ!
もう、そんな世の中は、終わりました!」
支配人は、声を荒げた。
ギーンと、頭に響いてくる。
頭が、割れそう。
うっ……痛い。
凛花は、頭を押さえた。
痛さを紛らわそうとして、頭に爪が食い込む。
肉が、皮膚と爪の間に入り込む。
「夢物語をブっこいてるのは、…………支配人、あんたじゃないの?」
支配人の、表情が、一変した。
今にも、泣きそうな表情となった。
「私は、ずっと1人だった!……」
支配人……?
どうしたの?
その、続きを聞こうとしたとき、
颯斗が、ふらついた足取りで、駆けつけた。
服は、汗で黒く変色していた。
この季節に、汗をかくなんて、よっぽどすごい運動しないといけないと思うけれど……
てか、凛花、颯斗から数メートルしか離れていなかったつもりなのに…
そんなに疲れるような、距離は来てないと思うけれど。
まだ、颯斗は、完全に元の姿には戻れていなかった。
頭に、獣耳がちょこんと、乗っている。
支配人は、颯斗が来たため、言い出すタイミングをすっかり失ってしまい、黙り込んでしまった。
颯斗は、肩で息をしている。
ものすごく、激しく肩は動き続ける
「ハァハァ」
呼吸が、整わず、苦しそうだ。
あーわかるわかる、長い間走ってるとき、唾飲んだら喉がすごく痛くなる!
颯斗、口呼吸になってる.
顔が真っ赤って事は、やっぱり走ったんだ……
走らなくても、良かったのに。なんで……
「ん!?……何が起きてるんだ?」
颯斗は、状況が、把握できていないようだ。
颯斗は、ポカーンと立ちすくんだまま、首を傾げた。
まぁ、この状況を読み込める方が、凄いと思うが……