ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.187 )
日時: 2015/03/27 23:00
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

・・・・開かない。

あれから、もう、何時間経っただろう。
思い、鉄製の扉は、少しの光も漏らさず、硬く閉まり続けていた。

「いつになったら、帰れるんだよー!」

颯斗は、叫ぶが、
広い世界に、小玉し、しばらくすると、
青い空に吸い込まれて行った。

「颯斗、ここで死んじゃうのかな?」

「アホかぁ!死ぬわけねぇ!俺たちは、生きる!」

さっきまで、
弱気だった颯斗は、
別人のように拳を突き上げた。

「あんたの、元気が欲しいわ。」

凛花は、地面にストンと、座り込んだ。

帰れなければ、みんなに会えない。

帰らなければ、ゲームは終わらない。

だから、帰らなければならないのに……

ーーーーーーーーーー
「凛花、ここ、天国?」
いきなり、分かり切ったことを、颯斗は質問してきた。

「今更、何を?」

「下は、地上?」

どうでも、いいから、適当に凛花は答える。
なぜ、今こんな話を?

「そうなんだろねぇー」

「じゃあ、地面、突き破れば、帰れるってことか?」

思いもよらぬ、答えが帰ってきて、凛花は、戸惑った。
慌てて、答えを探すが、出てこなかった。

「タブン__________」

そう、一言。
凛花が、言い終わるが早いか、颯斗が拳を地面にぶつけるが早いか________

颯斗の、拳の下から、熱風が噴き出してきた。

冗談で、言ったつもりが、颯斗は、本気で地面を突き破ろうとしていた。

「何してるの!?」

颯斗の服の襟を掴み、地面から、引き離そうとした。

「穴開けて、帰る。」

素直に、颯斗は答えた。

「馬鹿いうな!帰れるわけないだろ!」

ココから、地上間の距離を、舐めるな。
焦る凛花を、横目に颯斗は、地面に拳をぶつけ続ける。
暴風が、凛花の顔に当たり続ける。
ぎゅっと、目をつむり耐え続ける、

いつの間にか、小さいながらも穴が空き始めていた。
その、小さな穴から、下界が見える。

「うっそ………」

穴は、どんどん大きくなる。

最初は、ネズミ1匹通れるか、
通れないかくらいだったものが、
犬が、通れそうなくらいになっていた。

「すっ凄い………」

「うわ……この下、大気圏じゃん!
このまま、降りて行ったら、燃え尽きるな
ここから、飛び降りてやろうって、思ったのに。」

大気圏=ここは宇宙!?

凛花の、複雑な思考回路は、また掻き乱された。

「ちょっと!今、なんて?」

「ここ、天国だけど、下は宇宙だった。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ハァ!?
宇宙だと?
嘘だろ……
ここに来る前は、確かに地球に居た。
それが、死んでほんの数秒で、こんなところまで、移動?

「まぁ、いいや。凛花、帰ろ〜ッぜ。」

どこがいいんだよ!
燃え尽きテェノカ!
隕石になるぞ!
にもしかすると、『人間焼肉』かもしれねぇぞ!

アタフタ、焦る凛花を無視して、颯斗は背中に乗せ、
穴に飛び込んだ。
ボコン、と音を立て、あの空間を後にした。

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
振り返り、手を伸ばすがもう、あの土地には手が届かない。

「口開けるな〜燃え尽きる〜」

「どうして、そんなに呑気なんだ。」

手刀で、パシンと颯斗の頭を頭を叩く。

「イッテーェ。大気圏、避けて帰るから。」

?????????????????

「避けて……帰る?」

「うん。」

「うん!?大気圏、避けるなんて、無理だろ!」
そう、話しているうちにも、
大気圏は、目の前に迫っていた。

「?」

「大気圏、避けることができたら、
地球は、隕石でボッコボコだよ!」

「?」

凛花が、必死に叫ぶが、全く効果はないようで…

「颯斗、翼、折れてるんじゃなかったっけ?」

ふと、頭に折れた白い羽が浮かんだ。

「あっ!折れてるよ!」

その声が、耳に飛び込んでくると、ハッとして、凛花は振り返った。
白い翼は、ボキリと90度に折れていた。

「どうやって帰るの?」

この羽では、飛べない。
飛べなければ、帰れない。

「落下する」

その一言は、全く理解することができなかった。

颯斗に乗ったまま、凛花は地球へ突進して行った。

いや、落下して行った。

「死ぬぅー」

その叫び声も、風にかき消された。